第一想起とは、消費者が特定のカテゴリーで真っ先に思い浮かべるブランドの状態を指す一般的な概念です。
この記事では、第一想起そのものの考え方を一般的な観点から整理したうえで、SNSがその獲得にどう関わるのか、そして「企業のSNS運用は本当に売上に貢献できると言えるのか」という核心の問いまでを、SNSキャンペーンを4,000件以上支援してきた「キャンつく」を提供する株式会社ピクルスが解説します。
「SNS運用に力を入れているが、それが本当に売上や指名検索につながっているのか判断できない」——そんな悩みを持つ方は、この記事を読み進めることで解決の糸口が見つかります。
- 第一想起とは?
- 純粋想起・助成想起との違い
- 第一想起の重要性とは
- 第一想起が特に重要になる商材・市場
- 第一想起が必要とされる背景
- SNSを活用した第一想起の重要性
- SNSで第一想起を促す施策とは
- 運用型:日常投稿による継続接触
- 広告型:ターゲティングによる直接的なリーチ
- キャンペーン型:フォロー非依存の接触拡大
- SNSキャンペーンで第一想起は狙えるのか
- 企業SNSは売上に貢献できると言えるのか
- 直接計測できる範囲は限られている
- 指名検索数という代理指標には、商材による向き不向きがある
- 低関与の消費財は、購買そのものを応募条件にする設計が現実的
- 現実的な着地点は「証明」ではなく「合理的な説明」
- よくある質問
- Q. 第一想起と純粋想起の違いは?
- Q. 第一想起はどうやって調査する?
- Q. SNSキャンペーンで第一想起は測定できる?
- Q. フォロワー数と第一想起は関係がある?
- まとめ | 第一想起は一般概念、SNSはその獲得手段の一つ
第一想起とは?
第一想起とは、消費者が特定の商品カテゴリーを思い浮かべたときに、ヒントなしで最初に挙げるブランドのことです。
英語では「Top of Mind Awareness(TOMA)」と呼ばれます。人が何かを買おうとするとき、頭の中には複数の候補ブランドが自然に浮かびます。この候補の集まりを「想起集合」と呼び、その中で一番手に挙がるブランドが第一想起です。テレビCM・店頭・口コミ・SNSなど、あらゆる接点の積み重ねによって形成されるものであり、特定のチャネルに限定された概念ではありません。
第一想起は、単に「知られている」状態とは異なります。段階を整理すると、次のようになります。
段階 | 状態 | 具体例 |
|---|---|---|
認知 | ブランド名を見せられれば「知っている」と答えられる状態 | ロゴやCMを見れば思い出せる |
純粋想起 | ヒントなしで自発的にブランド名を挙げられる状態 | 「〇〇といえば?」に複数のブランドが浮かぶ |
第一想起 | 純粋想起の中でも一番最初に挙げるブランド | 「〇〇といえば」で真っ先に浮かぶ1つ |
純粋想起・助成想起との違い
純粋想起はヒントなしで思い出せること、助成想起は提示されて思い出せることを指し、第一想起は純粋想起の中の1位です。
用語 | 調査方法 | 意味 |
|---|---|---|
純粋想起 | ヒントを与えず「〇〇といえば?」と自由回答してもらう | ブランドが記憶に自然に根付いているかを示す |
助成想起 | 複数のブランド名を提示し、知っているものを選んでもらう | ブランドを見れば認識できるかを示す |
第一想起 | 純粋想起の回答の中で最初に挙げられたブランド | 検討の土台で最優先に置かれているかを示す |
助成想起は「見れば分かる」というハードルの低い指標であるのに対し、純粋想起・第一想起は「何も見せられていない状態で自発的に思い出せるか」を問う、ハードルの高い指標です。
第一想起の重要性とは
購買の候補として比較検討されるブランドの数はごくわずかで、その中でも第一想起のブランドが選ばれる確率が最も高くなります。
消費者が購買を検討する際、想起集合に入るブランドの数は一般的に2〜3個程度とされ、無限にあるわけではありません。想起集合に入れなければ、比較検討の土俵にすら立てないということです。
さらに、想起集合の中でも第一想起のブランドは次のような優位性を持つとされています。
選ばれる確率が高い: 迷ったときに最初に思い浮かぶブランドが選ばれやすい
価格の比較がされにくい: 「これでいい」という納得感が先に立ち、価格だけで他ブランドに乗り換えられにくい
口コミの起点になりやすい: 人に勧める・話題にする際も、真っ先に思い浮かぶブランドが選ばれやすい
つまり第一想起は、単なる知名度の指標ではなく、実際の購買行動・価格競争への耐性・口コミの広がりやすさにまで影響する、事業成果に近い概念だといえます。
第一想起が特に重要になる商材・市場
第一想起の重要度は商材によって差があり、高額商材や競争の激しい市場ほど優先度が高くなります。
第一想起への投資をどこまで重視すべきかは、自社の商材特性によって変わります。
傾向 | 具体例 |
|---|---|
重要度が高くなりやすい | 似た特徴のブランドが複数拮抗する競争の激しい市場/住宅・自動車のような高額で購入頻度が低い商品/これから拡大する新しい市場 |
重要度が相対的に低くなりやすい | 食品・日用品のような低価格で購入頻度が高い商品(複数ブランドを併用する購買行動が一般的)/機能や価格をじっくり比較検討して選ぶ商品/既存顧客のロイヤリティを重視する戦略をとる場合 |
自社の商材がどちらに近いかを踏まえたうえで、第一想起にどれだけ投資すべきかを判断することが重要です。この商材特性の違いは、後述する指名検索数を使った測定のしやすさとも重なります。
第一想起が必要とされる背景
情報や選択肢が増え続ける中で、「知られている」だけでは選ばれにくくなっているためです。
商品・サービスの選択肢が増え、消費者が触れる情報量も年々増加しています。こうした環境では、消費者は一つひとつの選択肢をじっくり比較する時間を取りにくくなり、「思い出せる範囲」の中から直感的に選ぶ場面が増えていきます。
これは広告の届き方にも影響します。従来型の広告接触だけでブランドを覚えてもらうことが難しくなる一方で、消費者自身が日常的に触れる情報源(SNS・口コミ・レビューサイトなど)の影響力が相対的に大きくなっています。「知ってもらう」ための投資だけでなく、「真っ先に思い出してもらう」ための設計が、以前よりも重要になっているのはこのためです。
SNSを活用した第一想起の重要性
SNSは消費者との接触頻度を高めやすい媒体であり、第一想起の形成において重要な役割を果たします。
第一想起はテレビCMや店頭体験など多様な接点で形成されますが、SNSには他のチャネルにはない特徴があります。ユーザーが日常的に、かつ高い頻度でアプリを開く習慣があるため、継続的な接触を積み重ねやすいという点です。
一方で、SNS運用のKPI(重要業績評価指標)設定では、「リーチ数」「インプレッション数」「フォロワー増加数」といった、SNS内で完結する数値が目的別の指標として使われることが一般的です(具体的なKPIの一覧はSNS運用のKPI設定方法で解説しています)。これらの数値は投稿がどれだけ見られたかを示しますが、見られた結果、消費者の記憶にブランドがどう根付いたかまでは教えてくれません。
第一想起は、この「見られた後にどうなったか」を示す指標です。SNS運用の成果を、リーチ数のようなSNS内完結指標だけでなく、想起という一段深い視点で捉え直すことが、事業成果に近づく第一歩になります。
SNSで第一想起を促す施策とは
SNSでの想起形成には、運用型・広告型・キャンペーン型という3つの経路があります。
運用型:日常投稿による継続接触
運用型は、日常的な投稿を積み重ねることでフォロワーとの関係を深め、想起の質を高めていく経路です。フォローはその関係の入り口であり、接触を重ねるほどブランドへの理解と好意が積み重なっていきます。
ただし運用型は、投稿が届く範囲が基本的にフォロワーの母数に規定されます。フォロワーが少ないうちは、どれだけ質の高い投稿を続けても接触できる人数自体が限られ、想起集合に入るための土台となる接触機会を広げるには時間がかかります。
広告型:ターゲティングによる直接的なリーチ
SNS広告は、費用を払った分だけ狙った層に直接リーチできる施策です。ターゲティング(年齢・性別・興味関心などで配信対象を絞り込む機能)を使えば、フォロワー以外の層にも短期間でアプローチできます。
ただし広告は媒体費に比例した線形的な露出であり、出稿を止めれば効果も止まります。運用型のように関係性が蓄積されたり、後述するキャンペーン型のようにシェアによって露出が自然に広がったりすることは基本的にありません。即効性を重視する場面や、他の施策を補完する目的で組み合わせるのが効果的です。
キャンペーン型:フォロー非依存の接触拡大
キャンペーン型は、フォローの有無に関わらず、参加者自身のシェア・リポストで接触機会が連鎖的に広がる経路です。
「フォロー&リポストで応募できる」「その場で当たる」といった参加ハードルの低い設計は、SNS上での接触機会を短期間で広げる手段として機能します。広告型が費用に比例した線形的な露出であるのに対し、キャンペーン型は参加者の行動によって露出が連鎖的に広がる点が特徴です。
私たちキャンつくでは、インスタントウィン(その場で当落が分かる抽選施策)が通常のリポストキャンペーンと比べて2〜5倍の参加率を実現しています。参加のハードルを下げるほど接触の母数が増え、想起集合に入る機会も広がります。
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SNSキャンペーンで第一想起は狙えるのか
フォロー非依存で接触を広げられるSNSキャンペーンは、第一想起の土台となる接触機会を効率的に作れる施策です。
前章で触れた通り、運用型は関係を深める一方で、フォロワー基盤の大きさに成果が左右されやすいという制約があります。これに対してキャンペーン型は、参加者自身の拡散行動によって、フォロワーの枠を超えて接触が広がる点が特徴です。
ただし注意したいのは、「参加してもらう」ことと「ブランドを思い出してもらう」ことは同じではないという点です。賞品目当てで参加しただけの接触は、記憶に残りにくいこともあります。第一想起の獲得を意識するなら、次のような設計上の工夫が有効です。
ブランド名・商品名を投稿内容に自然に組み込む(賞品情報だけで完結させない)
繰り返し接触できる設計にする(単発ではなく、定期的にキャンペーンを実施する)
参加体験そのものにブランドの特徴を反映させる(診断・似顔絵生成など、体験を通じてブランドを印象づける設計)
キャンペーンは接触の「量」を作る施策であり、そこに「質」(ブランドを印象づける工夫)を組み合わせることで、初めて第一想起の獲得につながっていきます。
企業SNSは売上に貢献できると言えるのか
厳密な因果証明は難しくても、指名検索数などの代理指標を使えば決裁者に説明できる合理的な根拠は用意できます。
ここまで見てきた「第一想起」は、最終的に売上につながっているのかを確認したいというのが、多くのSNS担当者の本音だと思います。この問いに、段階を分けて答えます。
直接計測できる範囲は限られている
SNS投稿やキャンペーンのCTA(行動喚起ボタン)経由でのCV(資料請求などの成果)は、UTMパラメータ(流入元を識別するURLの目印)を使えばGA4等で直接計測できます。ただしこれは即時の刈り取り効果であり、「第一想起」を経由した中長期的な売上貢献はここには映りません。
指名検索数という代理指標には、商材による向き不向きがある
指名検索数(社名・ブランド名そのもので検索される回数)は、想起の一部を捉える代理指標として使われます。検索という行動は、消費者が自らブランド名を思い出し、能動的に情報を求めた結果だからです。
ただしこれは、購買までにどれだけ時間をかけて比較検討するか(関与度)によって機能しやすさが変わります。
商材の傾向 | 指名検索の起きやすさ | 例 |
|---|---|---|
比較検討に時間をかける高関与商材 | 起きやすい | 化粧品、家電、BtoBサービスなど |
店頭で短時間に購買が完結する低関与商材 | 起きにくい | 食品、飲料、日用品など |
化粧品や家電のように、購入前に口コミやレビューを調べる習慣がある商材では、想起が指名検索という行動に表れやすくなります。一方、食品や日用品のように店頭で反射的に購入が完結する商材では、想起されていても検索という行動を経ないまま購買に至ることが多く、指名検索数だけで想起の変化を捉えるのは難しくなります。
低関与の消費財は、購買そのものを応募条件にする設計が現実的
店頭で完結する低関与商材の場合、そもそもメーカー側が「誰が買ったか」というデータに触れられないケースが大半です。この場合に現実的なのが、購入レシートやパッケージのQRコードを応募条件にするキャンペーン設計です。SNSでの接触と、実際の購買行動を直接ひもづけられる数少ない方法として、マストバイキャンペーンのような施策が挙げられます。
現実的な着地点は「証明」ではなく「合理的な説明」
ここまでを踏まえると、SNS運用が売上に貢献しているかを100%証明することは、多くの企業にとって現実的ではありません。しかし、上司や決裁者が本当に求めているのは、厳密な統計的証明ではなく、投資判断の根拠となる合理的な説明であることがほとんどです。
指名検索数の推移(自社商材が高関与商材に近い場合)、購入と接触を直接ひもづけられるキャンペーン設計(低関与の消費財の場合)など、自社の商材特性に合った測定方法を選び、それを継続的に記録していくことが、「証明」に近づく最も現実的な道筋です。
SNSキャンペーンツールの選び方や費用感を詳しく比較したい方は、下記の資料もあわせてご確認ください。
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私たちキャンつくは、X・Instagram・LINEに対応したSNSキャンペーンツールとして、600社以上・4,000件以上の実績を持っています。インスタントウィンは月額5万円からご利用いただけ、代理店に外注する場合と比べて約90%のコスト削減が可能です(ツールを活用してキャンペーンを自走した場合の工数削減効果によるもの)。インスタントウィンツールの具体的な選び方はインスタントウィンツールおすすめ10選、実際の成功事例はインスタントウィン成功事例12選でも詳しく紹介しています。
よくある質問
Q. 第一想起と純粋想起の違いは?
純粋想起は、ヒントなしで自発的に思い出せるブランド全般を指します。第一想起は、その中で最初に挙げられた1つのブランドを指します。
Q. 第一想起はどうやって調査する?
一般的には、消費者に「〇〇といえば?」とヒントなしで質問し、最初に挙がったブランド名を集計する消費者アンケート調査が使われます。これは調査会社が提供する専門的な手法であり、私たちキャンつくが直接この調査サービスを提供しているわけではありません。
Q. SNSキャンペーンで第一想起は測定できる?
キャンペーン実施の前後で指名検索数やUGC(ユーザーが自ら投稿したコンテンツ)の量を比較すれば、間接的に想起の変化を把握できます。ただし、これは正式な想起調査とは異なる代理的な把握方法である点には注意してください。
Q. フォロワー数と第一想起は関係がある?
フォロワー数はあくまで接触の母数を示す指標の一つであり、第一想起と比例するとは限りません。フォロー目的が賞品目当てなど関心の薄い動機の場合、フォロワー数が多くても想起の形成にはつながりにくいことがあります。
まとめ | 第一想起は一般概念、SNSはその獲得手段の一つ
第一想起は、SNSに限定された概念ではなく、あらゆる接点を通じて形成されるブランドの状態です。そのうえでSNSは、日常的な接触頻度の高さを活かして第一想起の形成に貢献できる、有力な手段の一つだといえます。運用型による継続的な接触と、キャンペーン型によるフォロー非依存の接触拡大を組み合わせながら、自社の商材特性に合った測定方法で効果を確認していくことが、SNS運用を事業成果に近づける現実的な道筋です。
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