SNS担当者からよく聞く「KPIをどう設定したらいいか分からない」というお悩み。本記事ではマーケターとして企業公式Instagram・X(旧Twitter)・Facebookアカウントの中の人を任されてきた筆者がSNSマーケティングにおけるKPI」について知っておきたい情報と具体的な効果計測の方法などをお伝えします。▼無料のお役立ち資料SNSの成果を見える化!効果測定・KPI設定の基本のキ※本記事は3,500社以上の導入実績をもつキャンペーンツール『キャンつく』を提供する株式会社ピクルスが監修しています。SNSマーケティングにおけるKPISNS運用を成功させるためには、明確な KPI(重要業績評価指標) の設定が欠かせません。明確な指標がなければ、どの施策が成功し、どの部分を改善すべきかを判断できないためです。KPIを設定するメリットとしては主に3つあります。成果を定量的に測定できる戦略の見直しがしやすくなる(PDCAを回しやすくなる)チーム内で目標を共有できるSNS運用やキャンペーンは、 短期間で成果を出す広告とは異なり、中長期的な視点でのブランディングや顧客との関係構築が求められます。そのため、SNS運用では「認知拡大」「エンゲージメント向上」「ロイヤル顧客の育成」など、段階的な目標設定が重要になります。一方で、広告は短期間でのリーチ拡大やコンバージョン獲得を目的とし、即効性のある施策が中心です。SNSと広告の違いを正しく理解し、目的に応じた使い分けを行うことで、より効果的なマーケティング活動ができます。 具体的な違いや目標設定の仕方については資料をご用意しましたので、ぜひダウンロードしてご確認ください。▼無料のお役立ち資料SNSの成果を見える化!効果測定・KPI設定の基本のキSNSマーケティングのKPIの基本SNS運用を成功させるためには、KGI(最終目標)とKPI(途中経過の指標)を適切に設定することが重要です。ここではKGIとKPIの違いと、目的別に適した主要KPIについて詳しくご説明します。KGIとKPIの違いKGIとは「Key Goal Indicator」の略で重要目標達成指標を指します。これは企業やブランドが達成すべき最終的な成果を表し、ビジョンや戦略に直結するものです。例えば、「新規申し込み客数を◯%増加させる」などがKGIにあたります。一方でKPIは「Key Performance Indicator」の略で重要業績評価指標と訳すことができます。KGIが最終ゴールを指すのに対してKPIはKGIを達成するための中間目標という立ち位置で、日々の改善に活用できる指標となります。SNSマーケティングにおけるKPIの具体例としては、「投稿へのコメント数を毎回◯件獲得する」などが考えられます。KGIとKPIは、「KPIツリー」と呼ばれる上下階層の図で整理すると分かりやすいです。例として、「30代への認知度向上」をKGIとした場合のKPIツリーは下記のようになります。目的別・主要KPISNS運用のKPIは目的に合わせて設定をする必要があります。目的に合わせた主要KPIについては下記を参考にしてください。目的主要KPI認知拡大・リーチ数(投稿をみたユニークユーザーの数)・インプレッション数(投稿が表示された回数)エンゲージメント向上・いいね数・コメント数・シェア数・保存数フォロワー増加・フォロワー増加数・フォロワー増加率サイト流入・コンバージョン(CV)・クリック率(CTR)・コンバージョン率(CVR)顧客ロイヤリティ向上・リピート購入率・UGCの増加(ユーザーが投稿したブランド関連投稿の数)SNSプラットフォーム別の特徴とKPI設定各SNSにはそれぞれ特徴があり、そのプラットフォームに合わせて適切なKPIを設定することで、運用効果を最大限に高められます。また、SNSごとに得られる数値データが異なるため、それも加味してKPIを設定しましょう。ここではSNSプラットフォーム別の特徴とKPI設定を紹介します。KPIを測定するために必要な数値データを集めるツールに関しては、下記の無料資料で紹介しているのでダウンロードしてご確認ください。▼無料のお役立ち資料SNSの成果を見える化!効果測定・KPI設定の基本のキInstagramInstagramは動画や写真などの視覚的なコンテンツが中心のプラットフォームです。また、エンゲージメントが高い投稿ほどアルゴリズムによって拡散されやすくなります。Instagramでよく使われるKPIとしては、以下のようなものがあります。リーチ数エンゲージメント率ストーリーの閲覧完了率特に保存数やストーリーの閲覧完了率は、ユーザーの関心度を測る重要な指標となります。エンゲージメント率の算出方法については、無料資料をご確認ください。▼無料のお役立ち資料SNSの成果を見える化!効果測定・KPI設定の基本のキまた、InstagramのKPIを決める上では、インスタのアルゴリズムも重要です。アルゴリズムとはユーザー体験を最適化するための仕組みであり、アルゴリズムを押さえたアカウント運用を行うことで、自社の投稿が優先表示されやすくなるアカウントが評価されやすくなるといったメリットがあります。2025年最新のインスタアルゴリズム情報は、下記の資料で解説しています。Instagram アルゴリズムとキャンペーン活用ガイドX(旧Twitter)X(旧Twitter)はリアルタイム性が高いプラットフォームです。特にリポスト数やエンゲージメント率が高い投稿は、より多くのユーザーに表示されやすくなります。X(旧Twitter)の主なKPIは次の通りです。インプレッション数リポスト数エンゲージメント数また、Xでは他のアカウントにリプ(返信)をするなどアクションを起こすとアクティブなアカウントと判断され、おすすめのフィードに掲載されることも増える傾向にあります。そのためリプ数などをKPIのひとつに設定する企業もあります。TikTokTikTokはショート動画が中心のプラットフォームです。他のSNSと比べてもアルゴリズムによるレコメンドが強力で、不特定多数に届けるのには適したプラットフォームといえます。TikTokの主なKPIは次の通りです。視聴回数視聴完了率シェア数フォロワー増加率特に視聴完了率は拡散されるためのポイントとなってくる数字なのでKPIに設定する企業が多いです。FacebookFacebookは広告と相性がよく、長文投稿も受け入れられやすいプラットフォームです。Facebookの主なKPIは次の通りです。ページリーチ投稿エンゲージメントクリック数(クリック率)特に投稿エンゲージメントを重視することでターゲット層にリーチしやすくなるため、KPIに設定するといいでしょう。クリック率の算出方法は無料資料をご確認ください。▼無料のお役立ち資料SNSの成果を見える化!効果測定・KPI設定の基本のキKPI設定から分析・改善までのステップKPIを適切に設定し、PDCAサイクルを回すことで、SNS運用の効果を最大化できます。ここではより具体的に、設定から分析と改善までのステップを説明します。1.ビジネス目標とSNS目標の整合性を確保SNS運用では、ただフォロワー数やエンゲージメント率の向上を目指すのではなく、最終的にはKGIの達成が求められます。そのためKGIから逆算してSNSの目的と役割、そしてそれに合わせたKPIを設定する必要があるのです。例えば、売上アップがKGIの場合は、SNSではサイト流入数の増加などがKPIとなるでしょう。また、SNS運用目的とSNSの社内における位置付けを明確にし、すでにご紹介したSNSのプラットフォームの特徴に合わせて運用するSNSを選び、そのSNSの特性を活かしたKPIを設定してください。2.プラットフォーム特性を考慮したKPI設計再度にはなりますが、各SNSプラットフォームには独自の特性があり、それぞれに適したKPIを設定する必要があります。下記に各SNSの特徴とKPI一覧表も用意しましたので参考にしてみてください。SNS特徴KPIInstagram・動画や写真などの視覚的なコンテンツが中心・ブランディングに適している・リーチ数・エンゲージメント率・ストーリーの閲覧完了率X・テキストを中心とした短文投稿が中心・リアルタイム性に強い・ インプレッション数・リツイート数・エンゲージメント率TikTok・短尺動画が中心・爆発的な拡散力が強み・視聴回数・視聴完了率・シェア数・フォロワー増加率Facebook・テキスト・画像・動画・リンクなど幅広い投稿フォーマットに対応・ビジネスパーソンがユーザーに多いためtoB市場に強い・ ページリーチ・投稿エンゲージメント・クリック数3.KPI測定の環境を整えるKPIを正しく測定するためにはデータ収集と分析体制の整備も欠かせません。それぞれのSNSプラットフォームには、無料で数値データを確認できる分析ツールがあります。まずはそれらを活用して数値を確認し、データを蓄積していきましょう。また、外部ツールを利用することも可能です。InstagramやXに特化したSINIS、Social Dog、あらゆるSNSに対応するSocial Insightなどを活用して、より詳細なデータを獲得してみてください。4.KPI改善の実行プラン策定KPI測定の環境が整ったら、単純なデータ集計から分析へとステップアップしていきましょう。具体的には、エンゲージメント率が高い投稿にはどのような共通点があるのかを分析し、次の投稿を伸ばすためのヒントを見つけます。また、伸びた投稿に共通することとして、投稿時間帯や投稿曜日がないかなどのトレンド分析も行います。最も投稿が伸びるのはどんな形式で、どんな内容の、いつ投稿されたものなのかをこれまでの投稿の傾向から割り出し、効果的な投稿形式を見つけてください。5.PDCAサイクルの効率的な運用さらに、SNSでは定期的にアルゴリズムの変化やトレンドの変化があるため、定期的にデータを確認して改善していく必要があります。投稿に対するフォロワーの反応を見ながら、適宜トーン&マナーを調整し、投稿スケジュールも変更しましょう。気になる点があった場合には、再度A/Bテストなどを行い、最も効果的なパターンを模索することをおすすめします。6.KPIから事業インパクトへつなげる定期的なKPIの測定は改善していくためだけではなく、事業につなげていく必要があります。売上・利益にどれだけ貢献できているかをしっかりと把握しましょう。またSNS運用には人件費などコストもかかっています。かかったコストとそこから得られた利益を比較し、ROI(投資対効果)も計算してみてください。詳細なROIの算出方法については資料で詳しく解説してますので、ダウンロードしてご確認ください。▼無料のお役立ち資料SNSの成果を見える化!効果測定・KPI設定の基本のキSNSのKPIを改善するための施策KPIを定期的に改善するために取り入れたい、SNSの主要KPIであるエンゲージメント率・フォロワー増加率・コンバージョン率を向上させる具体的な施策をご紹介します。適宜、A/Bテストを行ったり、競合アカウントと比較分析をしたりしながら、KPIを改善していきましょう。エンゲージメント率を上げるエンゲージメント率(いいね、コメント、シェア、保存など)はフォロワーとの関係性が如実に現れる指標です。エンゲージメント率を上げるためには下記の3つを意識してみてください。投稿の最適な時間を分析し、投稿スケジュールを調整するユーザー参加型のコンテンツ(投票・クイズなど)を増やすコメントを促す文章を追加するフォロワーの属性などを分析ツールで確認し、それを参考に調整していくことをおすすめします。フォロワー増加率を高めるフォロワー数は企業・ブランドの影響力を拡大する上では重要な項目です。一方でやみくもにフォロワー数を追っても、質の悪いフォロワーが増え、売上にはつながらないことも多いので注意しましょう。フォロワー増加率を高める施策としては下記が考えられます。ターゲットに合ったハッシュタグの活用コラボレーション投稿・キャンペーンの実施自社と親和性の高いインフルエンサーや他のブランドとのコラボ投稿は新しいフォロワーの獲得が期待できます。また、「フォロー&いいねで抽選で◯名にプレゼント」などのキャンペーンも、短期間でフォロワー獲得が見込めます。SNSキャンペーンを実施する場合はキャンつくなどのツールを利用して効率よく進めましょう。コンバージョン率を向上させる施策SNS運用の最終ゴールは、コンバージョンを増やし、売上につなげることです。まずはフォロワーを増やし、エンゲージメント率を高めることが重要ですが、アカウントが安定してきたらコンバージョン率の改善にも取り組んでいきましょう。コンバージョン率の向上には下記のような施策が考えられます。SNS広告の活用(ターゲティングを細かく設定)ストーリー等を活用したCTA(Call To Action・行動喚起)広告では細かいターゲティングができるため、通常の投稿と異なり、ピンポイントでターゲットユーザーにコンバージョンへと誘導が可能です。また、Instagramであれば、気軽にリンク遷移へと誘導できるストーリーを活用して購買へと促しましょう。まとめ | 適切なKPIでSNSの効果を最大化しようSNSの効果を最大化するためには、適切なKPI設定が必要不可欠です。また、PDCA(計画・実行・評価・改善)を回しながらKGI達成を目指すことがポイントとなってきます。そして必要に応じて外部ツールを活用してデータ収集を行い、キャンペーン施策を実施すれば、より効率よくKPIとKGIの達成に近づきます。無料資料では今回ご紹介しきれなかった内容も含まれているので、ぜひダウンロードしてご活用ください。SNSの成果を見える化!効果測定・KPI設定の基本のキ