もはやSNSと言えば、若い世代にとどまらず幅広いユーザーが日常的に使用しているツールの1つです。
その利用率の高さから商品・サービスの認知拡大やブランディングなど、SNSが企業のマーケティング活動において有力な手段となる機会は増えています。
そんな現代のマーケティングに必要不可欠なSNSを活用し始めている企業が増えている一方、思ったように成果が出ないという失敗例も多いようです。
「事前の想定よりフォロワーが増えない…」
「フォロワーは増えたけどツイートに全然反応がない…」
という事態に陥り、どうしたら良いのか悩んでいるSNS担当者の方もいるでしょう。 そこでこの記事では、実際にピクルスで行っている自社のTwitterアカウント運用で得た知見を交えつつ、企業がSNSアカウントを運用する目的や成果を出すために押さえておきたいポイントを解説します。
何となくSNS運用を始めたものの行き詰っている方や、これから企業SNS運用をはじめたい方は必見です!
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企業がSNSを活用する3つの目的
まずは、そもそも何のために企業のマーケティング活動としてSNSを運用するのかについてご説明します。
というのもSNS運用は一朝一夕では成果に繋がりにくいため、継続することが前提の施策です。そのため運用の狙いや目的を事前に理解していないと、短期的に成果が見えにくいことでモチベーションが低下したり、社内関係者に活動の意義を理解してもらえなかったりする場合があります。
SNS運用がマーケティング上で必要な活動だと企業全体で共通理解ができると、投稿ネタを提供してもらえたり拡散に協力してもらえたりと良いこと尽くしです。
継続運用していくためにも、まずはSNSを活用する3つの目的を理解し、社内に共有しましょう。
目的1. ブランディング
1つ目の目的は、ブランディングです。ブランディングとは他の企業には出せない自社の価値や独自性を多くの人に知ってもらう活動のことを言います。
ブランディングを進めることで商品・サービスの価格や性能などの機能的価値ではなく、独自の価値や好意といった情緒的価値を訴求することができます。
情緒的価値による訴求が積み重なると、ターゲットの第一想起を獲得することができます。 これこそが多くの企業がブランディング施策を進める目的です。
第一想起されるようになれば、大手企業に負けない販売力を手に入れることができます。 企業のSNSブランディングについてはこちらの記事で詳しく解説しているため、ご興味がある方はぜひお読みください。
>>SNSブランディングで成功してる企業はここが違う!事例から考える6つの成功のポイント
目的2. 認知・影響力の拡大
2つ目の目的は、認知・影響力の拡大です。
SNSで認知や影響力を獲得できれば、サービスページやECサイトへの流入源となり、売上UPにつながります。
SNSが普及する以前、商品を消費者に認知してもらうためには、テレビや新聞などのマスメディアに多額の予算をかけて広告出稿し、問い合わせ獲得や実店舗来店を促すするのが一般的な手法でした。
しかしSNSの普及により中小企業や新規事業など多くの予算確保が難しい場合でも、コストを抑えて、企業や商品・サービスの認知を拡大できるようになりました。
また、SNS上では商品やサービスに対する口コミから認知が広まることも多いので、コストパフォーマンスに優れた施策といえます。
さらに近年では自社SNSアカウントの影響力を活用して、採用関連のイベントを行う企業も増えています。
多数のフォロワーを抱えていればいるほど、多くの人材にアプローチができますし、優秀な人材にも出会いやすくなります。
目的3. コンバージョンの獲得
3つ目の目的は、コンバージョンの獲得です。
BtoBであればお役立ち資料やセミナーの案内をしてリードを獲得したり、BtoCであれば自社商品を直接案内し購入を促したりと、扱っている商材に関わらず、SNS上でコンバージョンを獲得することが可能です。
リスティング広告やSEOではない、新しい集客チャネルとしてSNSからコンバージョン獲得できるため、リード獲得や売上増加にお悩みの企業であれば、特に取り組むメリットは大きいでしょう。
企業のSNSアカウント運用で押さえておきたい3つのポイント
では実際に企業のSNSアカウント運用で押さえておきたいポイントをご紹介します。
冒頭でお伝えしたように、SNS運用では「アカウントのフォロワーが増えない」「フォロワー数に対して投稿へのアクションが少ない」といった悩みは非常に多いです。
実際にピクルスのTwitterアカウントもそのような課題を抱えておりましたが、試行錯誤を重ねることによって改善してきました。
フォロワー数を増やし、いいねやコメントなど反応されるアカウント運用を進めるために、実際にピクルスで行ってきた対策をポイントとしてご紹介していきます。
ポイント1. ユーザー視点での価値提供
1つ目のポイントは、ユーザー視点での価値提供をすることです。
SNS運用を行う前提として、「初めから自社アカウントに興味を持っている人はいない」と考えましょう。
企業アカウントを運用していると「自社のことをもっと知ってもらわなきゃ」という想いが強くなりすぎるあまり、発信したい内容を第一に考えてしまいがちです。 (ピクルスも同じでしたので、気持ちはとても分かります……)
しかし、それではなかなか興味を持ってもらえません。 そこで「興味を持ってもらうために提供できる価値は何か?」を考えます。
具体的にやるべきこととして、以下の2点が重要です。
ターゲットを決める
ニーズを見極めて価値提供する
自社商品のターゲットを設定して、ニーズを満たすコンテンツを発信していきましょう。
ピクルスでは、「経験の浅い駆け出しマーケターに向けて、明日使いたくなるようなお役立ち情報」を発信しています。
ピクルスのツイート例
このようにターゲットを決めてニーズを満たす価値を提供していくことで、少しずつ自社に興味を持ってくれるフォロワーが増えていくはずです。
ポイント2. コミュニケーションを大切に
2つ目のポイントはコミュニケーションを大事にすることです。
当たり前すぎて意外と見落としがちなのですが、SNSはコミュニケーションツールです。
一方的な情報発信や何かイベントがある時だけ動かすのでは、コミュニケーションの頻度は少ないといえます。
SNSアカウントを1人の人間だと捉えてみてください。毎日コミュニケーションを取る方が相手との距離を縮めやすく、興味を持ってもらいやすいですよね。
つまり、自社アカウントのファンを増やすために高頻度のコミュニケーションは欠かせません。 (※ここでのコミュニケーションとは、例えば、他ユーザーのツイートに対するコメントやいいね、リツイートを指します。)
また、TwitterやInstagramのアルゴリズムもユーザー同士の関係性を重視する傾向にあります。
投稿の表示回数や表示される位置がエンゲージメント(自社アカウントに対するいいねやコメントなどのアクション)によって変わってくるのでコミュニケーションを大事に運用しましょう。
ピクルスでは、Twitterのリスト機能を活用して日常的にコミュニケーションを取るようにしています。
ポイント3. データ分析を行いPDCAを回す
3つ目のポイントは、データ分析を行いPDCAを回すことです。
SNS運用に近道や裏技はありません。
自社に最適な発信内容や運用スタイルを日々追求していく必要があります。
まずは、SNS運用の企画時に月ごとの目標を設定します。運用初期は成果が読めないところもあるので仮目標を設定し、運用を進めていく中で見直すとよいでしょう。
そして、週ごと、もしくは月ごとに振り返りを行います。
SNSにはアナリティクスと呼ばれる運用を数値化したデータを確認する機能がついています。このアナリティクスを活用して「どんな内容の投稿が伸びたのか」「何をすればフォロワーが増えるのか」を1つ1つ検証していくと成果が出やすくなるはずです。
また、このように、目標を立てて実践し、アナリティクスを活用して分析をしながら改善していくのが運用の主な流れです。
何となくSNS運用を始める方もいますが、きちんと目標を設定しておくことで、現在の運用状況が良いのか悪いのかを明確に判断できますし、社内報告などにも役立ちます。
1つアドバイスとして、目標設定する際にいきなり全ての数字を追いかけるのは大変です。
企業の認知拡大であれば、”フォロワー増加数”
コアなファンを増やしたいのであれば、”エンゲージメント率”
などアカウントの運用目的に応じた目標を設定することで、効率的な運用をするのがオススメです。
ピクルスでは、週に一度MTGを行い各数値の検証を行っています。
伸びたツイートの考察やフォロー率の算出など数字を交えつつ効果検証を進めてきた結果、狙って数字を伸ばせるようにになってきましたので、ぜひ根気強くトライしてみてください!
企業のSNSアカウント運用における3つの注意点
ここからは企業のSNSアカウントを運用する際の注意点を3つご紹介します。
注意点1. SNSでの炎上
1つめは、炎上のリスクです。
SNSを運用する以上、炎上の危険性については日々ケアが必要です。
炎上は百害あって一利なしですので、他社で起きた直近の炎上を見かけた際は、どんな火種があったのかを知っておくことも重要です。
ピクルスも「明日は我が身」のつもりで、常にアンテナを張り巡らせています。
また炎上しやすい内容として国際情勢や政治的内容、差別、世論の変化にそぐわない内容などがあるので、これらの発信は控えるべきでしょう。
万が一、自社アカウントが炎上してしまった場合は、投稿を削除するなどの初期対応の前に、社内で対応方法を話し合うようにしましょう。
早期の対応はもちろんですが、一貫した姿勢という点もユーザーは注目しているからです。
会社全体で一貫した真摯な対応を取れるように関係者と焦らず冷静に話し合うことが大切です。
注意点2. 本格的な運用のためのリソース確保
2つ目は、本格的な運用にはリソースの確保が必須だということです。
無料で手軽に始められるSNSですが、そのためなんとなくSNSアカウントを開設したものの運用が止まってしまっているモノも少なくありません。
事前に運用に必要なリソースを確保していなかったことが理由の1つでしょう。
SNSの本格的な運用には「定期的な発信頻度を保つ」「毎日コミュニケーションを取る」「必要に応じてデータ分析を行う」などが欠かせないため、業務の片手間で行うのは困難なケースが多いかもしれません。
しっかりと対応できる人員や時間を確保してチームで取り組むのがオススメです。
注意点3.効果が出るまでの時間がかかる
3つ目は効果が出るまでに時間がかかることです。
SNSアカウントの運用は農作物を育てる工程に似ています。初めは水をやってもなかなか芽が出ない期間が続きますが、やがて芽が出て、葉が色付き出し、最終的に実がなります。たくさんの実がなってようやく収穫の時期が来ますよね。
SNSアカウントの運用も初めはフォロワーも少なく、発信にアクションしてくれるユーザーも少ないです。しかし、投稿を続けていくと少しずつ興味を持ってくれる人が増えていき、多くのユーザーに注目してもらえるようになって初めて当初の目的であるブランディングやコンバージョン獲得の効果が出てきます。
企画の段階から効果が出るまでに時間がかかることを認識していないと、途中で運用を辞めてしまい、投下したリソースが無駄になってしまうので注意が必要です。
そうならないために知っておいていただきたいのが、既存のフォロワー数とフォロワーの増加率には相関関係があるということです。
例えば、フォロワーが50人のアカウントAと1000人のアカウントBがあるとします。10%の方がツイートに対してリツイートをしてくれるとすると、Aは5人それぞれのフォロワーに拡散されますがBに至っては100人それぞれのフォロワーに拡散されます。多くのユーザーに拡散された方がアカウントが見られる機会が増え、フォロワーも増えやすいです。
つまり、フォロワーが少ないうちは自身のアカウントを拡散される数が少ないのでフォロワーは増えにくく、フォロワー数が増えてくれば増加率も応じて高まっていくということです。
最初のうちは大変かもしれませんが、根気強く運用し続けることが大切なので、ぜひピクルスと一緒に頑張りましょう!
また、「お金をかけてもいいので、SNSアカウント設立初期からフォロワーを増やしたい」「もっと短期間で商品購入の促進やブランディングを進めたい」という場合には、SNSキャンペーンがオススメです。
ピクルスは、SNSキャンペーン支援ツール「キャンつく」を提供しており、SNSキャンペーン自体の支援実績も豊富ですので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ:企業はSNSを大いに活用するべき!
今では多くの企業がSNSに取り組んでいますが、その重要性はまだまだ理解されておらず、優先順位が他の施策に比べて低いことも少なくありません。
短期的な効果を見ると他の施策を優先したくなる気持ちは分かりますが、時間をかけてアカウントを育てない限りはSNSで成果を出すことはできません。
本記事で紹介したポイントや注意点を参考にしていただき、ぜひこの機会に企業のSNS運用を始めてみてはいかがでしょうか。
またSNS運用の効果を爆発的に向上させるSNSキャンペーンの活用事例については以下で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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