各社様々な工夫を凝らして実施している販促キャンペーンですが、今回はその中でも新規会員獲得を目的としたキャンペーンについて解説します。
3年以上、教育業界でBtoCマーケティングを担当してきた筆者が、これまでマーケターとして見てきた新規獲得キャンペーンの効果や実践方法、事例などをご紹介します。
SNSやLINEなどを活用したものが中心になりますので、自社で新たに新規獲得を目的としたキャンペーンの実施を検討している場合はぜひ参考にしてみてください。
※本記事は新規会員獲得に効果的なSNSキャンペーンツール「キャンつく」が監修しています。
キャンペーンを実施する理由と効果
そもそも販促キャンペーンとは、マーケティング目標を達成するために行う施策で、商品やサービスの販売促進を目的に行うものです。販促キャンペーンを実施することで、商品やサービスに興味を持ってもらうきっかけを作れます。
キャンペーン実施により下記の効果が見込めます。
認知獲得
売上アップ
新規獲得
リピーター獲得
一度離れた顧客や休眠顧客へのリーチ
今回焦点を当ててご紹介する「新規会員獲得キャンペーン」は数ある販促キャンペーンのうちのひとつです。 また、新規獲得を目的に実施したキャンペーンであっても、長らく購入していない休眠顧客や、過去に一度購入したものの継続購入には至っていない顧客へのアプローチが可能なことも多くあるので、覚えておいてください。
キャンペーンの種類と実践方法
新規会員獲得のために実施できるキャンペーンは複数あります。まず、キャンペーンは大きくオープンキャンペーンとクローズドキャンペーンの2つに分けられます。
オープンキャンペーンとは、商品やサービスの購入なしで参加できるキャンペーンで、クローズドキャンペーンは商品やサービスの購入が必要なキャンペーンです。
直近、SNSが身近になってきたことから、誰でも気軽に参加できるオープンキャンペーンを実施する企業が増えてきています。 今回は新規会員獲得キャンペーンとしてできる施策をオープンキャンペーン・クローズドキャンペーンを含め具体的にいくつかご紹介します。
特典・プレゼントキャンペーン
新規会員獲得キャンペーンで最も主流なキャンペーンとして、特典やプレゼントを提供するキャンペーンがあります。 無料体験や無料サンプルのプレゼントは、金銭的に負担もなく誰でも参加できるわかりやすいオープンキャンペーンです。
クローズドキャンペーンとしては、入会特典として初心者向けワークブックプレゼントや、商品購入時に次回購入時に使えるポイントプレゼントなどのキャンペーンがあります。 上記のようなキャンペーンは使用する予算に対して十分なコンバージョンが取れないなど、費用対効果が得られない可能性もあります。
そういった場合のリスク対策としては、SNSでの投稿やLINE友達追加を条件に追加のサンプルプレゼントや、抽選でのプレゼント企画が考えられます。(抽選でのプレゼント企画は、プレゼントの金額や当選人数を設定することで予算をコントロールでき、リスクを抑えやすくなります)
こういった打ち手を行う際は、例えば抽選機能があるキャンつくLINE版のようなキャンペーンツールを活用することで、キャンペーンの管理が可能です。キャンつく LINE版では、その場で景品の当落がわかるインスタントウィンキャンペーンによって、2日で5,000人の友だち獲得に成功した事例もあります。
セールキャンペーン
クローズドキャンペーンとしてよくあるのは割引を提供するキャンペーンです。
全員に割引の提供をすると、利益率の確保も難しいため、新規会員獲得が目的の場合は「初回購入者限定」でセールを実施するとよいでしょう。
その他、リスク対策として利益率を担保するためのまとめ買い割や家族割などの提案、サブスク制度で長期割を提案することも可能です。 さらに、SNSフォローやLINE友達登録を条件に割引の適用や割引率アップといった施策もできます。
診断テストキャンペーン
診断テストキャンペーンは、多くの新規にアプローチでき、顧客とのエンゲージメントも確保できるおすすめのオープンキャンペーンです。
「ヨミトル」などの診断コンテンツ作成ツールを活用して、店舗やSNS、広告などで診断コンテンツを提供すると、商品やサービスを違和感なくスムーズに提案できます。加えて、診断コンテンツにはエンタメ要素もあるため、能動的かつ楽しみながらターゲットに参加してもらえます。
また診断コンテンツは診断結果を自主的にシェアする人も多いため、拡散性の高いSNSで実施すると、認知獲得にもつながりやすいです。 リスク対策としてはLINE友達追加後に診断コンテンツが受けられるようにする、診断コンテンツをシェアすることで特典付与などが考えられます。
キャンペーン実施時のポイント
キャンペーン実施時に最も大事なポイントは、ターゲットに合わせてキャンペーンのプランニングを進めることですが、それ以外にも意識していただきたいポイントを紹介します。
FOMO要素を出す
キャンペーンの効果を最大化したい場合、FOMO要素を入れるとよいです。FOMOとはFear Of Missing Outの略で、何かを見逃したり、自分だけが取り残されたりすることに対する不安を指します。
「今購入しなければ、今始めなければ、お得な恩恵が受けられないかも」といった不安をうまく活用するのです。 具体的には、キャンペーン期間を「3日間限定」などとしたり、「残り1日!」などといった終了までの期間をカウントダウンする投稿を行います。
ただし、類似のキャンペーンを頻繁に実施したり、カウントダウンをあまりにも早くから始めたりするとFOMO要素が弱まってしまうので注意が必要です。
法律を遵守する
キャンペーンは法律に違反しない範囲で実施しましょう。景品表示法では企業が消費者を誤認させかねない不当な広告表示を禁止しているので、過度な表現になってないかなどのコピーライティングにも注意を配る必要があります。
またSNS上でのプレゼントキャンペーンも、条件によっては景品表示法の対象になりますので注意が必要です。 景品表示法における注意点などは下記をご確認ください。
【事例アリ】SNSキャンペーンでの景表法の基礎知識を経験者が解説
リスクヘッジする
キャンペーンは少なからずマーケティング予算を活用して実施するかと思います。そのため、予算対効果を考えて、リスク軽減対策も準備しましょう。
例えばですが、セールを実施する場合は ・まとめ割など、数を売ることで利益を確保する ・SNSのフォローやSNSへの口コミ投稿など、一定条件を満たした場合にのみ割引を適用する などの対策が考えられます。
LINE友達追加につなげるリスクヘッジ対策にはキャンつくLINE版の活用もおすすめです。 キャンペーンごとにKPIを立てるかと思いますが、最悪のシナリオを考慮したプランニングも忘れないでください。
キャンペーン事例
toC向けの新規会員獲得キャンペーンとして、直近ではLINEやSNSを活用したものが主流になっています。またこれらのプラットフォームと親和性が高く成果につながりやすいのが、拡散性の高い診断コンテンツです。
今回は診断コンテンツを活用して新規会員獲得を増加させた成功事例を3つ紹介します。
LINE友達登録を増やした事例
株式会社フィッツコーポレーションはヨミトルで作成した『ミニモアパフューム診断』を活用して、LINE友達登録へユーザーを誘導し、友達登録率10%以上を達成しました。
本事例の詳細はこちら:https://shindancloud.com/createlist/minimoreperfume_shindan
メルマガ登録を増やした事例
エフアンドエム株式会社は『管理部門性格タイプ診断』を活用して、月数百件のメルマガ登録者獲得に成功しています。 診断コンテンツをWebサイトのトップページのファーストビューや、サイドバナー、追従のポップアップに実装。その後、X広告も活用して効果を最大化しました。
本事例の詳細はこちら:https://shindancloud.com/works/fandmnet_interview/
資料請求を増やした事例
人生のパートナー探しサービスを提供する株式会社オーネットは、45歳以上の男性をターゲットに診断コンテンツ『恋愛偏差値診断』を提供しました。
ターゲットの年齢層が高めだったものの、広告経由で診断コンテンツを活用し、専用LPも準備したことで資料請求数が増加し、CPAを改善。さらに診断コンテンツ内で設問を繰り返すことでユーザーのモチベーションを上げ、契約率アップにも成功しました。
最終的なコンバージョン率(契約率)が上がりやすくなるのは診断コンテンツ特有のメリットです。
本事例の詳細はこちら:https://shindancloud.com/works/onet/
事例から学ぶ成功のポイント
今回ご紹介した事例から分かっていただける通り、新規会員獲得キャンペーンの成功には診断コンテンツを作るだけ、専用LPを準備するだけ、あるいはX広告を出稿するだけでは十分な成果は出ません。
これは新規会員獲得目的に関わらず、全ての販促キャンペーンにおいて言えることです。
結論、キャンペーンでは以下を意識することで成功しやすくなります。
ユーザーに参加メリットのある企画や、興味関心を惹きつけるコンテンツを作る
離脱することなく購入までつなげるLPを作る
コンバージョンコンテンツやLPへの流入を増やす導線を設計
必要に応じて広告を活用して初動を早める
網羅的に取り組むことで相乗効果を生み、キャンペーンの成功を目指しましょう。
キャンペーンの効果測定方法とKPI設定
キャンペーンが終了したら、キャンペーンが成功だったかどうかを評価し、次のキャンペーンに向けて反省点や改善点を出しましょう。 キャンペーン結果の効果測定をする際は、下記のような数字を確認し、目標KPIに対しての達成度を確認してみてください。
LINE友達新規登録者数
資料ダウンロード数
SNSフォロワー数
メルマガ登録者数
(SNS投稿・ウェブ広告の)インプレッション数
(メルマガの)オープン率やクリック率
新規購入者数及びその売上
また、それぞれのキャンペーンにおける効果を確認する際、分析ツールを活用することでより詳しく効果を測定できます。ツールはキャンペーンを実施した媒体に合わせて使い分けるのがベストです。私が過去に活用したことあるツールを3つ、参考までに紹介します。
Lステップ
LINEを活用したキャンペーンを実施した際に活用できるツールの一つとして「Lステップ」があります。Lステップは管理画面がシンプルで直感的に操作できるので使いこなせるか不安な人にもおすすめです。
流入分析やクロス分析機能があり、ユーザーの行動や関心に合わせてマーケティング活動ができます。Lステップではメッセージの返信などの自動化もできるので、運用コストの削減もできます。
iterable
メルマガ配信においてツールの活用は必須です。iterableはメールの開封率やチェック率などの確認はもちろんのこと、A/Bテストや顧客条件に合わせたメールの配信などもでき、重宝していました。
メールマーケティングツールは無料から有料のものまであるので、配信性能や分析機能、企業として利用するので顧客情報が漏洩しないかなどのセキュリティ面、操作性などを考慮して自社の条件に合ったものを選ぶことをおすすめします。
SINIS for X・SINIS for Instagram
XやInstagramを活用したキャンペーンを実施した際はSINIS for XとSINIS for Instagramを活用してみてください。特にXは有料アカウントではないとアナリティクス機能を見ることができなくなったので分析ツールの導入は必須です。
XとInstagramで異なるツールを活用している企業も多いですが、ツールを同じ会社が提供するものに統一することで、ツール導入時の慣れも早く、負担も少なくなると思います。
専門家のまとめ|今後の展望
新規会員獲得キャンペーンには様々なキャンペーンが考えられますが、今後はターゲットに合わせてLINEやSNSを活用する企業がますます増えてくることが予想されます。
公式LINE・SNSアカウントはあるけれど、それらを活用したキャンペーンはこれまで実施したことがなかったという方はぜひ今回の記事を参考に、新たな新規会員獲得キャンペーンを実施してみてください。
また、多くの企業が新規会員獲得キャンペーンを実施しているため、より多くの新規会員獲得につなげるためには他社との差別化も必須です。 今回紹介した診断コンテンツは他社キャンペーンとの差別化につながる1つの方法だと思います。
商品やサービスに関するSNSでの認知獲得が狙え、診断テストを商品やサービスに関して詳しく知ってもらえる設計にもできるので、複数の効果が見込めます。
今回紹介したヨミトルとキャンつくLINE版について興味を持っていただいた方は下記もご確認ください。