「シティプロモーションって、どうやったら成功するの?」
「予算が限られているけど、本当に効果は出るの?」
「他の自治体はどんな取り組みをしているの?」
自治体職員の方や、地域活性化に携わる方が気になるポイントですよね。
2024年に発表された調査(※1)では、約6割の自治体がシティプロモーションを実施していますが、目に見えた成果が上がる自治体もあれば、そうでない自治体もあります。
失敗するプロモーションと、成功するプロモーションを分ける要因とは何なのでしょうか?
「結局、大きな自治体や大企業じゃないと、成功しないんじゃない?」
いえいえ。大規模自治体ではなく、限られた予算でも、おもしろいアイデアと適切な手順があれば、大きな成果を生むシティプロモーションは可能です。
SNSキャンペーンツール「キャンつく」を提供する株式会社ピクルスでは、2003年の創業から20年以上にわたり、4,000件を超えるキャンペーンやプロモーション支援を手掛けてきました。
本記事では、その20年の経験に基づく「おもしろいシティプロモーション企画の作り方」を、成功事例・失敗事例とともにお伝えします。
また、制作会社や代理店の方からは、
「自治体への提案で説得力のある事例が見つからない」
「プロポーザルで勝てる、数値根拠のあるキャンペーン案が欲しい」
といったお声もよく聞きます。
本記事では、行政プロポーザルで求められるキャンペーンの特徴も解説している他、下記の無料お役立ち資料もご提供していますので、あわせてご活用ください。
【行政プロポーザル案件向け】提案書にそのまま使えるInstagramキャンペーン提案ガイド

(※1)引用元:令和 5 年度版 全国シティプロモーション実態調査
- 【基礎知識】シティプロモーションとは何か?目的・目標
- 主な目的と具体的な数値目標
- なぜ今シティプロモーションが重要なのか
- シティプロモーション・シティセールス・シビックプライドの違い
- 「うちの自治体では無理」は本当か?
- シティプロモーション成功事例7選(国内)
- 応募数300件達成!「#おうめ推し」で地域愛を可視化(2024年)
- リーチ9.1万件!地域ブランド米で新潟の魅力を全国発信(2023年)
- リプライ249件!兵庫県の知られざる特産品で地域再発見(2023年)
- 想定1,000人→実際5,000人超!機動的な改善で期待値5倍達成(2022年)
- 3つの賞で下北沢の多面的な魅力を表現(2016年)
- 1ヶ月で6万9,000ツイート!選択型で複数地域の魅力を同時発信(2016年)
- 飛んでいる写真で新しい「体験型」の観光を促進(2016年)
- シティプロモーション成功事例3選(海外)
- オランダ・アムステルダム「I amsterdam」キャンペーン
- イギリス政府観光局「VisitBritain」の中国向けニックネーム募集
- アメリカ・ニューヨーク市「LinkNYC」プロジェクト
- 成功事例から見える共通パターン
- 1.地域の魅力の最大活用
- 2.継続的な取り組み
- 3.住民との協働
- 4.参加ハードルの最小化
- ありがち失敗事例3選
- SNS投稿が全く反響を得られない「反応薄」パターン
- 目的・成果指標が曖昧な「大型予算投入」パターン
- SNS時代の「炎上リスク」パターン
- 【実践編】おもしろいシティプロモーション企画の作り方
- 戦略設計
- 「成功するおもしろさ」を生む企画設計
- SNSキャンペーンの有効性と実施方法
- 他のプロモーション施策との比較
- 効果的なキャンペーン実施に必要なツール
- シティプロモーション専門サイトの作り方
- 効果的なサイト設計のポイント
- 継続的なサイト運営
- 【制作会社・代理店向け】行政プロポーザルで求められるキャンペーンとは
- 行政プロポーザルで求められるSNSキャンペーンの特徴
- 提案書作成でこんなお悩みはありませんか?
- よくある質問と回答【FAQ】
- Q1. 効果が出るまでにどのくらいの期間が必要ですか?来年度の予算で検討したいのですが、今すぐ始める必要がありますか?
- Q2. シティプロモーションの効果測定はどのように行えばよいですか?
- Q3. シティプロモーション課の設置は必要ですか?
- Q4. SNSキャンペーンは、どのSNSから始めるのが効果的ですか?
- Q5. シティプロモーションの論文や研究は参考になりますか?
- まとめ
【基礎知識】シティプロモーションとは何か?目的・目標
「シティプロモーションが何かくらい知ってるよ!」
と思われたかもしれませんが、定義を改めて確認することで企画の目的が定まり、ブレないプロモーション設計につながることもあるので、念のためご説明させてください。
シティプロモーションとは、地域の魅力を内外に発信し、ヒト・モノ・カネを呼び込み、地域経済の活性化につなげる活動のことです。
単なる観光PR活動とは異なり、住民から地域への愛着醸成、移住促進、企業誘致までを包括的に行う取り組みを指します。
成功したシティプロモーションの例として、以下が挙げられます。
青梅市が2024年に実施した「#おうめ推し デジタルアートコンテスト」による301件のUGC獲得
新潟県が2023年に実施した「新潟レストランウィーク2023 開催記念ツイッターキャンペーン」による9.1万件のリーチ
これらの成功事例については、後ほど詳しく解説します。
主な目的と具体的な数値目標
シティプロモーションの目的は、自治体によって様々ですが、一般的には以下のような数値目標が設定されます。

※UGCとは、ユーザー生成コンテンツの略で、一般ユーザーが自発的に作成・投稿するコンテンツのこと。シティプロモーションにおいては、住民や観光客が地域の魅力を撮影・投稿した写真や動画、口コミなどを指します。自治体が制作する公式コンテンツよりも信頼性が高く、自然な拡散効果が期待できるため、特にSNSプロモーションでは重要な成果指標の一つとなります。
なぜ今シティプロモーションが重要なのか
現在の日本では、少子高齢化、地方人口減少、東京への人口一極集中といった課題が進行しています。
シティプロモーションは、これらの課題に対する効果的な解決策として注目されています。
地域の魅力を戦略的に発信することで、移住者の獲得、関係人口の創出、地域経済の活性化を同時に実現できるためです。
特に、SNSなどのデジタルツールを活用することで、限られた予算でも広範囲にリーチし、地域ブランドを構築できます。
シティプロモーション・シティセールス・シビックプライドの違い
これらの用語は混同されがちですが、実は異なる概念です。
表にまとめると下記のようになります。

シティプロモーションには3つの大きな特徴があります。
まず、内外両面アプローチを採用している点です。地域外への魅力発信だけでなく、地域住民の愛着向上も同時に図ることで、住民自身が地域の魅力を発信する「アンバサダー」となる効果を生み出します。
次に、持続可能性を重視した取り組みである点です。一過性のイベントや短期的なキャンペーンではなく、中長期的な視点で継続的に地域ブランドを構築していくことを目指しています。
最後に、総合的な効果を実現する包括性です。観光振興、移住促進、企業誘致、住民満足度向上など、地域活性化に関わる複数の目標を一つの取り組みで同時に達成できる点が、他の施策との大きな違いといえます。
シティセールスとの違い
シティセールスは「地域を売り込む」営業活動的側面が強く、短期的な成果を重視します。一方、シティプロモーションは中長期的な地域ブランディングを目指します。
シビックプライドとの関係
シビックプライドの醸成は、シティプロモーションの重要な要素の一つです。住民が地域に誇りを持つことで、自然な情報発信者となり、プロモーション効果が高まります。
「うちの自治体では無理」は本当か?
「効果があるって言ったって、それは予算に恵まれてるとか、知名度があるとか、大きな自治体だけなんじゃないの?」
と思われた方もいるかもしれません。
弊社のSNSキャンペーンツール「キャンつく」でご支援した自治体さまでは、以下のような成功事例もございます。
大都市でなくとも、1回のInstagramキャンペーンで300件の応募(中央値は150件程度)
Xキャンペーンによりフォロワー数が5,000人以上増加(平均は100~300人程度)
成功のカギは「規模」や「知名度」ではなく「戦略」にあります。
ここからは、成功事例と失敗事例を紹介した上で、事例から分かる「小さな自治体でも大きな成果を上げるための具体的な方法」を解説していきます。
まずは国内と海外それぞれの成功事例を見ていきましょう。
シティプロモーション成功事例7選(国内)
キャンつく・ピクルスでの20年の支援実績の中から、新旧含めて7つの成功事例をピックアップしました。
応募数300件達成!「#おうめ推し」で地域愛を可視化(2024年)
青梅市がInstagramで実施したキャンペーンで、301件の応募(UGC)を獲得しました。写真を投稿することで参加できるフォトコンテストキャンペーンとなっており、過去2年間で約1,000件の応募実績を持つ継続的なイベントとして地域に定着しています。優秀作品に選ばれると、賞品として青梅市特産品1万円相当がプレゼントされます。
このキャンペーンの最大の工夫は、「ふとした瞬間に出会った青梅の推しポイント」というコンセプトで、特別な観光地ではなく住民の日常体験を重視した点です。参加方法もInstagramでハッシュタグ「#おうめ推し」をつけて投稿するだけというシンプルさで、ユーザーの参加ハードルを下げています。
また、過去に撮影した写真でも「投稿日が期間内であれば応募可能」という柔軟性を持たせ、受賞連絡を青梅市公式InstagramのDMで行うことで自然なフォロー促進も実現しています。
長期的なシティプロモーション効果として、投稿された写真(UGC)が青梅市の魅力を継続的に発信する資産となり、移住検討者が青梅市を検索した際の情報源として機能します。
また、住民自身が地域の魅力を再発見することでシビックプライドが向上し、口コミによる移住相談件数の増加や、SNSで青梅市を知った人々の観光来訪、ふるさと納税への関心向上といった複合的な効果が期待できます。
キャンつくでは、青梅市のようなInstagram活用における成功事例をまとめたお役立ち資料も無料でご提供しています。
自治体への提案を検討されている制作会社・代理店の方向け資料ですが、自治体の方にとっても参考になる内容ですので、ぜひお役立てください。
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リーチ9.1万件!地域ブランド米で新潟の魅力を全国発信(2023年)
新潟レストランウィーク2023 開催記念ツイッターキャンペーン│新潟県農林水産部
新潟レストランウィーク2023
— 新潟レストラン(にいがた食のパートナーショップ) (@niigatasyokuzai) March 18, 2023
開催記念㊗️
あのコシヒカリを継ぐ🤝
新しいお米【新之助】
5キロ100名様にプレゼント🎁
Wチャンスでブランドすき焼き🍖
✅条件
・@niigatasyokuzaiフォロー&これをRT
・リプで当選確率UP
新潟をみんなで盛り上げよう💪
〆切今月末まで🔻詳細https://t.co/AB9NGe5QjK pic.twitter.com/CYoXsR4u6H
新潟県が実施したX(Twitter)キャンペーンで、RT数2,356件、いいね数1,647件、リーチ数9.1万件という高い拡散効果を達成しました。「あのコシヒカリを継ぐ新しいお米『新之助』」5キロを100名様にプレゼントし、Wチャンスでブランド和牛すき焼きセットも提供する豪華な賞品設計が話題を呼びました。
このキャンペーンの成功要因は、新潟県の象徴的な農産品である米を前面に押し出し、特に「コシヒカリを継ぐ」という表現で新ブランド米の価値を分かりやすく伝えた点です。
参加方法は「フォロー&RT」という最もシンプルな形式で参加ハードルを極限まで下げ、さらに「リプライで当選確率UP」という仕組みでエンゲージメントを促進しました。
また、「新潟をみんなで盛り上げよう」というメッセージで地域愛に訴えかけ、新潟レストランウィーク2023との連動により食文化全体のPRにも成功しています。
長期的なシティプロモーション効果として、新潟県の農産品ブランドの認知向上により、ふるさと納税や農産品の直接購入につながる可能性が高まります。また、新潟の食文化への関心が高まることで観光需要の創出や、「新潟といえば美味しいお米」というイメージの再確認により移住検討者への訴求力向上も期待できます。
リプライ249件!兵庫県の知られざる特産品で地域再発見(2023年)
ええとこ!ひょうごの特産品が当たる!フォロー&リツイートキャンペーン│兵庫県市町村振興協会
😍ええとこ!ひょうごの特産品が当たる😍
— 兵庫県市町村振興協会 (@hyogoshinko) June 12, 2023
フォロー&リツイートキャンペーン開催中🎵
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1⃣ このアカウントをフォロー🤳
2⃣ このツイートをリツイート💬
※6月23日(金)23:59迄のリツイートが対象
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【応募規約⬇️⬇️ 】https://t.co/LKMACQGMT9#キャンペーン #兵庫県 pic.twitter.com/Xlhae6zySq
兵庫県市町村振興協会が実施したX(Twitter)キャンペーンで、リプライ249件、RT数2,179件、いいね数784件、リーチ数5万件という高い拡散効果を達成しました。実施期間は6月12日から23日までの12日間で、賞品には姫路市の干姫すい、明石市の明石玉、西宮市のえびすフィナンシェなど、県内各市町の多様な特産品を設定しています。
このキャンペーンの成功要因は、「えぇとこ!ひょうごの特産品が当たる」という親しみやすい関西弁の表現と、兵庫県内の複数市町の特産品を一度に紹介する網羅性にあります。参加方法も「フォロー&リツイート」というシンプルな設計で参加ハードルを最小限に抑えながら、賞品詳細画像では各特産品の魅力を視覚的に訴求しました。
特に注目すべきは参加者の好意的なコメントで、
「兵庫県といえば◯◯だと思ってましたが、知らない魅力的な特産品がたくさんありそうですね」
「どれも美味しそうで食べてみたいです」
といった声がリプライで249件も寄せられ、地域の新たな魅力発見と継続的な関心創出に成功しています。
長期的なシティプロモーション効果として、兵庫県内の各市町の特産品認知向上により、ふるさと納税や直接購入による地域経済活性化が期待できます。また、「知らない魅力的な特産品がたくさんありそう」という参加者の発見により、兵庫県への観光興味や移住検討時の参考情報として機能し、県全体のブランド価値向上にも寄与する複合的な効果が見込まれます。
想定1,000人→実際5,000人超!機動的な改善で期待値5倍達成(2022年)
/#世界タパスデー ハッシュタグ投稿キャンペーン
— スペイン政府観光局 (@SpainInJapan) June 22, 2022
抽選で「イベリコ豚の生ハム」をプレゼント🎁
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【応募方法】
①@SpainInJapanをフォロー🇪🇸
②風景とタパスを選んで、ハッシュタグ「#世界タパスデー」を付けてツイート
👇詳細は下の動画またはURLをタップ👇https://t.co/RoPzktL2Wt#キャンペーン pic.twitter.com/KJMpoDU7BO
スペイン政府観光局が実施したXキャンペーンで、想定目標1,000人のフォロワー増加に対し、実際には5,000人以上のフォロワー獲得という成果を達成しました。
このキャンペーンの成功要因は、文化的イベント「世界タパスデー」という国際的な記念日を活用したタイミング設定と、単純な抽選ではなく「風景とタパスを選んでハッシュタグ投稿」という参加型の仕組みにあります。さらに、期間中の機動的な改善も大きな転換点となりました。
また、専用サイトへの誘導により、SNSの140文字制限を超えた詳細な情報提供を実現し、単純なフォロワー数増加ではなく「質の高いフォロワー獲得」「スペイン文化への真の興味醸成」を重視しました。
長期的なシティプロモーション効果として、スペイン文化(タパスなど)の認知拡大により日本からスペインへの観光需要創出が期待でき、質の高いフォロワー獲得により継続的な情報発信の土台が構築されました。また、この成功により今後のキャンペーン展開への自信にもつながり、穴場観光地や新たな魅力スポットの情報拡散による観光客誘致の可能性も広がっています。
この事例の詳細はこちら:スペイン政府観光さま「キャンつく」導入インタビュー
3つの賞で下北沢の多面的な魅力を表現(2016年)
#my下北沢 Instagramキャンペーン│小田急エージェンシー

小田急エージェンシーが実施したInstagramキャンペーンで、「お店で撮ったで賞」50名、「シモキタらしいで賞」10名、「しもっきー賞」10名の合計70名にプレゼントを提供する大規模な取り組みを展開しました。
下北沢の街中で撮影した写真にハッシュタグ「#my下北沢」をつけて投稿するだけで参加でき、投稿された写真はサイト内のギャラリーにも表示されることで地域全体のアピールと盛り上げを実現しています。
このキャンペーンの成功要因は、3つの異なる賞を設定することで下北沢の多面的な魅力を表現した点にあります。「お店で撮ったで賞」では地域店舗への誘客促進、「シモキタらしいで賞」では下北沢独特の文化や雰囲気の発信、「しもっきー賞」では地域キャラクターとの接点創出を図りました。また、サイト内ギャラリーへの投稿写真掲載により、参加者の「掲載されたい」という承認欲求を刺激し、継続的な投稿促進につなげています。
長期的なシティプロモーション効果として、投稿された写真が下北沢の街の魅力を継続的に発信する資産となり、下北沢を知らない人々への認知拡大や観光客誘致に貢献します。また、地域店舗と連携した賞品設定により実際の来店促進効果も期待でき、住民や常連客の地域愛向上により口コミによる情報拡散やリピート来訪の増加といった複合的な地域活性化効果が見込まれます。
1ヶ月で6万9,000ツイート!選択型で複数地域の魅力を同時発信(2016年)

講談社が漫画「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」のドラマ化記念として実施したTwitterキャンペーンで、1ヶ月間で6万9,000ツイートという圧倒的な応募数を獲得しました。
「あなたが住みたい街はどこですか?」という問いかけで、作品の舞台となった9つの街から選択してツイートすると応募となる仕組みで、合計80名にキャンペーンスタッフ選定のご当地おみやげが当たる設計となっています。
このキャンペーンの成功要因は、選択型キャンペーンの導入により複数地域を同時にプロモーションできた点にあります。各地域の名店とコラボした魅力的な賞品設定により作品の世界観と地域の魅力を両立させ、さらに「試し読みで当選確率2倍」という仕組みで漫画への興味も喚起しました。
特に注目すべきは、キャンペーンページ自体を食べ歩きガイドブックとしても機能するコンテンツに仕上げた点で、「これ知っている!」「あ、食べてみたい」「行ってみたい」と感じさせる読み物としての価値を提供しています。また、原作マンガの雰囲気を活かしたマンガ形式でのキャンペーン説明により、作品ファンにとって親しみやすい体験を創出し、各所に設置された漫画購入ページへのボタンで売上向上にもつなげています。

長期的なシティプロモーション効果として、9つの街それぞれの名店や特産品の認知向上により、実際の観光客誘致や地域経済活性化が期待できます。また、作品を通じて各地域に興味を持ったファンが継続的に訪問することで、コンテンツツーリズムの効果も見込まれ、地域の新たな魅力発見や移住検討の参考情報としても機能する複合的な価値創出が実現されています。
飛んでいる写真で新しい「体験型」の観光を促進(2016年)

伊豆急行が実施したフォトコンテストで、約4ヶ月間の長期開催により多数の応募を獲得し、最優秀賞にはJTB旅行券10万円(その他の賞品も含め総計40万円分)という豪華賞品を提供しました。
「伊豆の風景や街並みを背景にした人物や動物が飛んでいる写真」というユニークなコンセプトで、InstagramまたはTwitterでハッシュタグ「#伊豆のお飛び子」をつけて投稿するとコンテストに参加できる仕組みとなっています。
このキャンペーンの成功要因は、「飛んでいる写真」という一見困難だが挑戦したくなる絶妙な難易度設定にあります。少し難易度が高いからこそユーザーのチャレンジ精神を刺激し、努力して撮影した写真を誰かに見てもらいたいという承認欲求から自然なSNS拡散が生まれました。
また、コンテスト形式にすることで作品のクオリティ向上を促し、参加者自身が伊豆の風景の中で主役になれるという体験価値を提供しています。投稿された写真は伊豆の美しい風景と躍動感あふれる人物が組み合わさった魅力的なコンテンツとなり、見る人にも「自分も行ってみたい」「撮ってみたい」という気持ちを喚起する効果を生み出しました。
長期的なシティプロモーション効果として、投稿された「飛んでいる写真」が伊豆の新たな楽しみ方として認知され、観光客の撮影スポット巡りや体験型観光への関心向上に貢献します。また、参加者が伊豆の様々なスポットで撮影することで地域全体の魅力発見につながり、リピート訪問や口コミによる観光客増加、さらには独創的なキャンペーンとして他の観光地との差別化を図る効果が期待できます。
シティプロモーション成功事例3選(海外)
海外の成功事例も参考に見ていきましょう。
「海外の事例なんて参考になるの?」と思われたかもしれませんが、国内のプロモーションとは趣の違うおもしろい発想もあり、ヒントは得られますよ。
オランダ・アムステルダム「I amsterdam」キャンペーン
2004年から始まったアムステルダムの都市プロモーション「I amsterdam」は、観光客増加ではなく、住んでいる人一人ひとりの「この街に住む誇り」を向上させることを目的としたキャンペーンです。市民自身が都市の魅力そのものであるというメッセージを発信しました。
このキャンペーンの特徴は、「ナレッジ・シティ」といったよくあるスローガンを避け、誰かが考えた概念を市民に強要するのではなく、市民ひとりひとりの心の中にある気持ちを揺さぶるアプローチを取ったことです。具体的には、下記のような施策を行いました。
市民の写真集を作成し、写真展も開催
「I amsterdam」の関連グッズ(Tシャツなど)を作成
「I amsterdam」のロゴを市民や企業も無料で使えるようにすることで、看板広告などによる自然拡散
街中に巨大な「I amsterdam」の立体ロゴを設置し、市民や観光客が自由に登って写真を撮れる参加型のモニュメントとして機能させる
このキャンペーンの優れた点を国内でのキャンペーンにも応用するとしたら、下記のようなアイデアが考えられます。
「誰が主役か」を明確にする:観光地や特産品ではなく「住民こそが地域の魅力」というメッセージで、住民のシビックプライドを高める
参加型の仕組みづくり:SNSで「#私が○○市」のようなハッシュタグキャンペーンを展開し、住民自身が地域の魅力を発信する主体になってもらう
長期的なブランド戦略:一過性のイベントではなく、4年間といった長期のサイクルで継続的にメッセージを浸透させる
イギリス政府観光局「VisitBritain」の中国向けニックネーム募集
イギリス政府観光局が中国人観光客誘致のために実施した「イギリスの観光地や建物に中国語のニックネームをつけてください」キャンペーンは、3か月で13,000件以上の応募を集める大成功を収めました。
この事例の革新的な点は、現地の文化や言語感覚に委ねるアプローチです。英国側が一方的に中国語の観光名称を決めるのではなく、中国人自身に親しみやすい呼び方を考えてもらうことで、自然な愛着と関心を生み出しました。
国内自治体への応用ポイント
ターゲット層に「命名権」を委ねる:地域の新しいスポットや特産品の愛称を、移住希望者や若い世代から公募する
文化的な橋渡し役を作る:例えば関西弁での観光地紹介を関西出身者に、若者言葉での魅力発信を若者自身やインフルエンサーに任せる
参加プロセス自体を話題化:募集過程や選考過程もコンテンツとして発信し、注目度を継続的に維持する
アメリカ・ニューヨーク市「LinkNYC」プロジェクト
ニューヨーク市は、旧式の公衆電話を高速Wi-Fi等に変える「LinkNYC」プロジェクトを展開。市民や観光客が無料でインターネットを利用できる環境を整備し、都市の先進性や利便性をアピールしています。
この取り組みの優れている点は、実用的なサービス提供とプロモーションを同時に実現していることです。利用者は「宣伝されている」という感覚なく、実際の利便性を体感しながら自然に都市の先進性を認識します。
国内自治体への応用ポイント
機能とPRの融合:観光案内所にスマホ充電ステーション+地域リアルタイム情報のデジタルサイネージを設置
日常の課題解決からブランディング:子育て世代向けに「授乳・おむつ替えマップアプリ」を提供し、子育てしやすい街としてのイメージを構築
テクノロジー活用でのイメージ向上:農業地域でもIoTを活用した「収穫体験予約システム」や「リアルタイム直売所在庫情報」で、先進的な農業の街として差別化
成功事例から見える共通パターン
国内外の成功事例を分析すると、以下の共通パターンが見えてきます。

1.地域の魅力の最大活用
青梅市の日常風景、新潟県のコシヒカリブランド、兵庫県の知られざる特産品、伊豆急行の美しい風景、アムステルダムの市民文化など、それぞれの地域が持つ固有の資源を効果的に活用しています。観光地化されていない日常の文化や地域独特の資源こそが、他地域との差別化要因となっています。
2.継続的な取り組み
一度きりのキャンペーンではなく、青梅市の過去2年間で約1,000件の応募実績、アムステルダムの4年間のマーケティングサイクルなど、長期的な視点での取り組みが重要です。シビックプライドの醸成や関係人口創出といった本質的な効果は、継続的な関係構築によって生まれます。
3.住民との協働
青梅市の住民による推しポイント投稿、下北沢の地域店舗との連携、アムステルダムの市民主体メッセージ、イギリス政府観光局の中国人による観光地ニックネーム募集など、住民を巻き込んだ参加型の仕組みが効果を高めています。
4.参加ハードルの最小化
新潟県の「フォロー&RT」、伊豆急行の「ハッシュタグ投稿」、下北沢の「写真投稿だけで参加」など、誰でも簡単に参加できる仕組みも重要です。複雑な応募条件ではなく、SNSの基本機能だけで参加できる設計にすることで、幅広い層からの参加を実現しています。
ありがち失敗事例3選
失敗事例として「具体名を出す」のはセンシティブなため控えさせていただきますが、自社・他社含めさまざまな事例を見る中で実際にあった失敗例をご紹介します。
SNS投稿が全く反響を得られない「反応薄」パターン
自治体が力を入れてSNS等でキャンペーンを展開したものの、投稿から期間が経っても反応が極めて少ない事例は珍しくありません。この失敗パターンには、いくつかの共通する要因があります。
よくある失敗要因
1. ターゲット層の不明確さ 「誰に向けたメッセージなのか」が曖昧な投稿が多く見られます。年齢層、ライフスタイル、興味関心が不明確だと、誰の心にも刺さらない結果になります。
2. 参加のハードルが高い フォトコンテストなどで「○○を大募集!」という呼びかけでも、具体的な投稿方法や求める内容が不明確だと、参加者が「何をどのように投稿すればいいのか」で迷ってしまい、結果的に参加を諦めてしまいます。
また、キャンペーンの賞品が参加ハードルに見合うものかどうかも重要です。たとえば撮影に手間がかかるような写真投稿を求める場合、その手間に見合う賞品がもらえないと参加しようとは思えません。
3. 行政目線のメッセージ 自治体が考える「良い場所」や「魅力」を一方的に発信する傾向があり、住民が本当に愛している場所や体験を自由に表現できる余地が少ないケースがあります。
4. 継続性のない単発企画 投稿が単発で終わってしまうと、フォロワーとの継続的な関係を築けません。「また何かキャンペーンをやっている」という印象だけが残り、地域への愛着形成には繋がりにくいです。
改善すべきポイント
具体的なターゲット層を設定し、その層に刺さる言葉で語りかける
参加方法を分かりやすく、参加例を示して心理的ハードルを下げる
住民の自発的な表現を促す、より自由度の高い企画設計
単発ではなく、継続的なコミュニケーション戦略の構築
目的・成果指標が曖昧な「大型予算投入」パターン
自治体が数千万円規模の予算を投じてシティプロモーションを展開したものの、明確な成果指標や目的設定の不備により、最終的に事業が中止に追い込まれた事例もあります。
よくある失敗要因
1. 成果指標の設定不備 「全国的な認知度向上」といった抽象的な目標設定で、具体的な数値目標や測定方法が不明確。そのため、事業の効果を客観的に評価することができず、「成果につながっていない」という結論に至ってしまいます。
2. 地域内コミュニケーションの不足 プロジェクトの企画段階で住民との十分な対話や合意形成が行われず、市民からの理解や支持を得られないまま事業がスタート。結果として住民の愛着度向上どころか、反発を招く結果となってしまいます。
3. 投入予算と効果のバランス検証不足 数千万円という大きな予算に見合う効果が期待できるかどうかの事前検証が不十分。費用対効果の観点から事業の妥当性を検証する仕組みがないパターンです。
4. 政治的争点化のリスク 住民の反発が強まることで、プロジェクト自体が政治的な争点となり、首長選挙の結果によって事業継続が左右される状況に陥ってしまったことも。
改善すべきポイント
具体的で測定可能な成果指標(KPI)の事前設定
住民参加型の企画プロセスと継続的なコミュニケーション
投入予算に見合う効果の定量的な事前検証
政治的な変動に左右されない、住民合意に基づく事業設計
SNS時代の「炎上リスク」パターン
SNSで情報が広まりやすいからこそ、炎上には細心の注意を払いましょう。一度炎上してしまうと、短期間で取り返しのつかないダメージを受ける可能性も。
自治体のPRにおいて、注目を集めようとしてエッジの効いた表現を採用した結果、「不適切」との批判が殺到し、短期間でキャンペーン終了に追い込まれたケースもあります。
よくある失敗要因
1. 多様な価値観への配慮不足 現代社会では、性別、年齢、文化的背景など多様な価値観を持つ人々がSNSを通じて情報に触れます。特定の層には受け入れられる表現でも、他の層には不快感を与える可能性があることを見落としがちです。
2. 事前チェック体制の不備 制作段階で多角的な視点からの検証が不十分で、「炎上リスク」を事前に察知できない体制となっているケース。内部だけの判断では気づけない問題点があります。
3. 「話題性」重視の企画思考 「注目を集めたい」「バズらせたい」という思いが強すぎて、リスクよりも話題性を優先してしまう企画思考。守りに入りすぎると埋もれてしまうが、攻めすぎると炎上するという難しいバランスの見極めが課題です。
4. 危機管理対応の準備不足 炎上が発生した際の対応フローや責任者が明確でなく、初動対応の遅れや不適切な対応によって被害が拡大してしまうパターン。
改善すべきポイント
複数の年齢層・性別・立場の人による事前確認
炎上リスクを想定したシナリオ検討
「なぜこの表現が必要なのか」の明確な理由づけ
以上で成功事例、失敗事例のご紹介は終わりです。
ここからは、事例で見てきたポイントも踏まえつつ、「どうしたら成功するおもしろいシティプロモーションができるのか?」を解説します。
【実践編】おもしろいシティプロモーション企画の作り方
戦略設計
成功事例で見てきたように、優れたシティプロモーションには必ず明確な戦略があります。「とりあえずSNSでバズらせよう」ではなく、戦略→施策の体系的なアプローチが重要です。
【大田区の戦略的アプローチに学ぶ】
大田区シティプロモーション戦略(令和7年度~令和14年度)は、戦略的アプローチの優良事例として参考になります。同区では「持続可能な大田区」を実現するために、ターゲットを子育て世帯を中心とした区民に絞り込み、区のブランディングを一新する8年間の長期戦略を策定。
以下のような優れたポイントがあります。
明確なターゲット設定:「子育て世帯を中心とした区民」に特化
5つの価値提案:利便性・自然・子育て環境・人とのつながり・文化芸術
統一ブランドメッセージ:「わくわくに翼を」のロゴマーク設定
循環型の効果創出:インプット→アクティビティ→アウトプット→アウトカムの設計
具体的な成果指標:区民愛着度80点、子育て世帯定住意向89%などKPI設定
この戦略に基づいて、「#おおたで過ごす夏」「#おおたの推しグルメ」といった具体的なSNSキャンペーンが展開されています(いずれも弊社の「キャンつく」をご利用いただいたキャンペーンです)。
【戦略設計の手順】
大田区のような戦略を立てたい場合、以下のような手順で実行できます。
①現状分析
まず地域の現状を客観的に分析します。
地域の強み・弱みの整理:5つの価値(利便性、自然、子育て、人とのつながり、文化)
競合自治体との差別化ポイント分析:23区内での独自ポジション
ターゲット層の行動・ニーズ調査:子育て世帯の具体的なニーズ把握
②目標設定
定量目標:区民愛着度72.1点→80点、子育て世帯定住意向85.2%→89%
定性目標:シビックプライド向上、移住関心度向上
期間設定:8年間の長期戦略+4年間のアクションプラン
③戦略立案
ポジショニング戦略:「子育てしやすい魅力的な大田区」
コミュニケーション戦略:「わくわくに翼を」の統一メッセージ
実施戦略:ブランディング(価値づくり)→プロモーション(発信)→価値共感主体の創出(賛同者の増加)
このように、まずは明確な戦略設計から始めることで、成功確率の高いシティプロモーションを実現できます。
次のステップでは、「おもしろさ」を生むコンセプト設計について解説します。
「成功するおもしろさ」を生む企画設計
【おもしろさの4要素チェックリスト】
成功事例から見えてきた「おもしろさ」の共通要素を、チェック項目に落とし込みました。

①意外性はあるか?
伊豆急行「#伊豆のお飛び子」→「飛んでいる写真」という意外な設定
スペイン政府観光局→「世界タパスデー」という知られざるイベント活用
② 参加したくなるか?
青梅市「#おうめ推し」→「ふとした瞬間に出会った推しポイント」で日常の再発見
下北沢→3つの異なる賞で多面的な魅力表現
③ シェアしたくなるか?
伊豆急行「#伊豆のお飛び子」→努力して撮影した写真を「誰かに見てもらいたい」欲求を刺激
下北沢→投稿写真がサイト内ギャラリーに載る「掲載されたい」欲求の刺激
④ 継続できるか?
アムステルダム「I amsterdam」→4年間のマーケティングサイクル
青梅市→過去2年間で約1,000件の応募実績
この4要素に「地域の魅力」をかけ合わせることで、地域らしさを表現しつつ、成功するプロモーション企画ができます。
地域の魅力を発見するためには、以下のような調査を行うと良いでしょう。
【地域の魅力発掘ワークショップ】
1. 住民ヒアリング(20-30人規模)
「この地域の好きなところベスト3」
「友人に自慢したくなるスポット」
「他の地域にはない独特な文化・習慣」
「子育てで助かっているポイント」(大田区のようなターゲット層意識)
2. 外部視点での魅力発見
観光客インタビュー
移住者の「発見」ポイント
SNSでの地域言及分析
「なぜこの地域を選んだのか」の深掘り
3. 競合自治体との差別化分析
類似自治体のプロモーション手法調査
独自性を活かせる切り口の発見
【魅力×おもしろさの企画化ワークショップ】
調査で見えてきた地域の魅力を、4つのおもしろさ要素と掛け合わせて具体的な企画に落とし込みます。
例:「隠れた名店が多い」という魅力を発見した場合
おもしろさ要素 | 企画アイデア | 参考事例 |
|---|---|---|
意外性 | 「#○○市の意外グルメ」:知名度が高くない「通」なグルメ | 大田区「#おおたの推しグルメ」の応用 |
参加したくなる | 「#○○市グルメ探偵」:ヒントを元に隠れた名店を探すゲーム要素 | 兵庫県の特産品発見型キャンペーン |
シェアしたくなる | 「#○○市グルメ制覇」:複数店舗コンプリートでデジタル認定証 | 下北沢の複数賞設定による承認欲求刺激 |
継続できる | 月替わりテーマで年間展開:「春の新メニュー」「夏の冷たいもの」 | 青梅市の定期継続展開 |
【企画の最終チェック】
4つのおもしろさ要素が含まれているか
地域の独自性が活かされているか
予算・リソース内で実現可能か
継続展開の道筋があるか
このワークショップを通じて、地域の魅力を活かした「おもしろい」シティプロモーション企画を体系的に創出できます。
「他にもいろいろな例を見た上で企画を考えたい」という方は、下記の資料も参考になりますよ。
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【行政プロポーザル案件向け】提案書にそのまま使えるInstagramキャンペーン提案ガイド
制作会社や代理店さま向け資料ですが、さまざまなアイデアが載っているため自治体の方でも活用できます。
また、長期的にプロモーションを継続するなら、季節に応じた企画にすることで参加者を飽きさせない工夫もポイントです。
下記の資料では季節に応じた企画アイデアや具体例もまとめているので、気になる方は参考にしてみてください。
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SNSコンテンツカレンダー 作成ガイド&季節の投稿アイデア集
SNSキャンペーンの有効性と実施方法
これまでの成功事例で見てきたように、多くの自治体がSNSキャンペーンで優れた成果を上げています。青梅市の301件UGC獲得、新潟県の9.1万リーチ達成など、具体的な数字が示すSNSキャンペーンの効果は明らかです。
しかし、なぜSNSキャンペーンがこれほど有効なのでしょうか。他のプロモーション施策との比較を通じて、その理由を解説します。
他のプロモーション施策との比較
テレビCMや新聞広告などの従来型プロモーションは、確かに多くの人にリーチできますが、シティプロモーションにおいては限界があります。
まずコストの問題があります。30秒のテレビCMを制作・放映するには数百万円から数千万円の予算が必要で、多くの自治体には現実的ではありません。また、一方通行の情報発信であるため、視聴者の反応を測定することが困難で、効果検証が曖昧になりがちです。
さらに重要な問題は、住民参加の要素が薄いことです。テレビCMを見た住民が「自分もこの地域の魅力を発信したい」と思っても、参加する手段がありません。シビックプライドの向上という観点では、従来型メディアは受動的な消費に留まってしまいます。
一方、SNSキャンペーンは低予算で高い効果を実現できます。一般的なSNSキャンペーンでは、賞品代、SNS運用コスト、プレゼント発送費用などを合わせても数十万円程度の予算で実施可能です。青梅市の「#おうめ推し」のように継続的なUGC創出を達成できれば、従来型メディアと比較して費用対効果は圧倒的に優秀です。
最も重要なのは、住民参加型の構造です。SNSキャンペーンでは、住民自身が地域の魅力を発見し、写真を撮影し、コメントを添えて投稿するという能動的な参加が前提となります。この過程で、住民は地域の魅力を再認識し、シビックプライドが自然に向上します。アムステルダムの「I amsterdam」キャンペーンが示すように、住民が主体的に地域の魅力を発信する仕組みこそが、持続可能なシティプロモーションの基盤となります。
効果的なキャンペーン実施に必要なツール
SNSキャンペーンの有効性が理解できても、実際の運営には多くの課題があります。応募者リストの収集、抽選作業、当選者への連絡など、手作業で行うと膨大な時間がかかります。
そこで必要になってくるのが、専用のキャンペーンツールの導入です。応募数2,000件、当選者100名のキャンペーンの場合、手作業では約2日間の作業時間が必要ですが、専用ツールを使用すれば10分程度で完了します。

また、手作業での運営は、作業効率の悪さだけでなく、ヒューマンエラーによる炎上リスクも抱えています。当選者への連絡ミスや重複当選などの問題は、自治体の信頼性を大きく損なう可能性があります。
キャンつくの活用メリット
下記のような大手企業さまや自治体さまにもご利用いただいている「キャンつく」は、手作業と比較して98.6%の工数削減を実現し、SNSキャンペーンの運営を劇的に効率化します。X、Instagram、LINEなど主要SNSプラットフォームに対応し、ハッシュタグ収集、自動抽選、当選者連絡、効果レポート作成まで一貫して自動化できます。
特に自治体にとって重要なのは、10年以上の支援経験に基づく炎上リスク対策とサポート体制です。SNSキャンペーンは注目を集める一方で、批判的な反応を招くリスクもあります。経験豊富なサポートチームによるスピーディーな回答やフォローにより、安全で効果的なキャンペーン実施が可能になります。
導入の判断基準
キャンペーンツールの導入を検討する際は、費用対効果を重視すべきです。月額数万円のツール利用料は、職員の作業時間削減効果や炎上リスク回避効果を考慮すれば、十分にペイする投資です。
また、「成功事例の共通パターン」でも解説した通り、シティプロモーションの成功には「長期継続」が重要なため、年間でお得に利用できるキャンペーンツールがおすすめです。
キャンつくであれば「年間プラン」を選択することで、業界最安水準での利用が可能になります。
効果的なシティプロモーションを実現するためには、SNSキャンペーンの有効性を理解し、適切なツールを活用して効率的に実施することが重要です。成功事例で見てきたような成果は、戦略的な企画設計と実行力のあるツール活用の組み合わせによって生まれるのです。
キャンつくを導入いただくと、効率的なキャンペーン運営により浮いた時間を戦略立案や住民との対話に活用することもでき、青梅市のような継続的なUGC創出や住民のシビックプライド向上へとつながります。
「この地域に住んでよかった」と心から思える街づくりへの貢献ができるのです。
プロモーションが継続的に成功すれば住民からの評価もさらに高まり、「いい取り組みですね」と感謝される機会も増えるでしょう。
キャンつくは、そんな未来を叶えるための心強い「お助けアイテム」です。
キャンつくの概要や料金プランなどが気になる方は、下記公式サイトや資料にてご確認ください。
シティプロモーション専門サイトの作り方
SNSキャンペーンで注目を集めた次のステップとして、シティプロモーション専門サイトの構築・運営が重要になります。SNSは拡散力がある一方で、文字数制限や情報の流れの速さから、詳細な情報発信や継続的な関係構築には限界があります。そこで、SNSで興味を持った人々を専用サイトに誘導し、より深い地域理解と愛着形成を図る戦略が効果的です。
効果的なサイト設計のポイント
シティプロモーションサイトの設計において最も重要なのは、訪問者の段階的なニーズに応える構成です。初回訪問者は地域の概要を知りたがり、関心を深めた人は具体的な生活情報を求め、移住検討者は詳細な手続き情報を必要とします。
地域の魅力紹介ページでは、大田区が策定した5つの価値提案(利便性・自然・子育て環境・人とのつながり・文化芸術)のように、体系的な魅力整理が重要です。単なる観光スポットの羅列ではなく、「なぜこの地域で暮らすと豊かになるのか」を住民の実体験を交えて伝えることで、説得力のあるコンテンツになります。
住民インタビューでは「移住してよかったこと」「子育てで助かっていること」など、具体的なエピソードを収集し、訪問者が自分の生活をイメージできるようにします。
イベント・キャンペーン告知は、サイトとSNSの連携において中核的な役割を果たします。SNSで話題になったキャンペーンの詳細情報や参加方法を分かりやすく解説し、参加ハードルを下げる工夫が必要です。また、過去のキャンペーン参加者の声や投稿写真を掲載することで、「自分も参加してみたい」という気持ちを醸成できます。
住民参加コーナーは、地域の生きた魅力を伝える最も効果的なコンテンツです。SNSで投稿された「#おうめ推し」のような住民の声(UGC)を集約表示することで、外部から見た地域の魅力を可視化できます。さらに、住民が直接サイトに地域情報を投稿できるフォームを設置することで、継続的なコンテンツ更新が可能になります。
継続的なサイト運営
サイト運営で最も重要なのは継続性です。開設当初は意欲的に更新していても、徐々に更新頻度が落ちてしまうサイトは少なくありません。成功するシティプロモーションサイトは、必ず持続可能な更新体制を構築しています。
更新頻度については、週1回以上の新着情報更新が理想的です。これは検索エンジンからの評価向上だけでなく、リピート訪問者の期待に応えるためでもあります。
月1回以上は「特集記事」といった形で力の入ったスペシャルコンテンツを出せるとベターです。季節に応じたイベント紹介や住民の暮らしぶりを深掘りした記事を掲載し、サイトの価値を高めます。また、SNSキャンペーンで投稿された内容は随時サイトに反映させることで、SNSとサイトの相乗効果を生み出せます。
サイトへのアクセスを増やすためのSEO対策(検索エンジン最適化)では、地域名と魅力的なキーワードの組み合わせが重要です。「○○市 移住」「○○市 子育て」といった基本的なキーワードはもちろん、「○○市 保育園 待機児童 状況」のような、より具体的なロングテールキーワードでも上位表示を狙います。これにより、真剣に移住を検討している人や、具体的な課題を抱えている人にもリーチできます。
また、SEOに関わる最新トピックとして知っておきたいのが、「AI検索対策」です。検索エンジンではなくAIで情報収集をする人が増えており、今後サイト流入を増やすうえでは、下記のような対策が重要になります。
①AIO(AI Overview):ChatGPTやGoogle BardなどのAIが検索結果の上部に表示する要約情報のこと。自治体サイトの情報がそこに引用されるよう対策する必要があります。具体的には、よくある質問とその回答を構造化して記述し、「○○市の子育て支援制度は?」といった質問に対して正確で簡潔な回答を提供できるコンテンツ設計が必要です。
②GEO(Generative Engine Optimization):生成AIエンジン(Perplexity、Claude、ChatGPT)で地域について検索された際に、信頼できる情報源として引用されるよう、事実に基づいた詳細な情報提供と、引用しやすい文章構造の工夫が重要です。特に移住検討者がAIに「○○市の住みやすさは?」といった質問をした時に、ポジティブで具体的な情報が回答として提示されるよう、データに基づいた客観的な魅力発信を行う必要があります。
【制作会社・代理店向け】行政プロポーザルで求められるキャンペーンとは
制作会社や代理店の方向けに、行政プロポーザルで採用される提案書を作成する方法をご紹介します。自治体案件では、一般企業向けの提案とは異なる重要なポイントがあります。
行政プロポーザルで求められるSNSキャンペーンの特徴
行政案件では、単なる認知拡大ではなく共創型プロモーションが重視されます。住民参加による一体感創出、地域愛の醸成効果、持続可能な関係構築など、住民との協働を前提とした企画設計が求められます。
また、KPI設計においても、リーチ数や投稿数といった定量指標だけでなく、住民満足度やシビックプライド向上といった定性指標、さらには1投稿あたりのコストや1フォロワー獲得コストなどのROI指標まで総合的に設計する必要があります。
提案書作成でこんなお悩みはありませんか?
行政プロポーザルの提案書作成では、一般企業向けとは異なる特有の課題があります。多くの制作会社や代理店が直面するのは、以下のような問題です。
行政特有の要求事項が分からない
差別化できる企画アイデアが思いつかない
費用対効果の根拠データが不足している
実績や専門性をアピールする材料がない
これらの課題により、せっかくの技術力や創造力があっても、行政案件では思うような成果を上げられないケースが少なくありません。
そんなお悩みを解消するためにご用意したのが、下記のお役立ち資料です。
【行政プロポーザル案件向け】提案書にそのまま使えるInstagramキャンペーン提案ガイド
この資料があれば以下の効果が期待できます。
・提案書作成時間を短縮
・説得力のある数値根拠で差別化を図る
・実績豊富な協力パートナーとしてアピールできる
・運用まで見据えた安心感を提供、クライアントからの信頼獲得
キャンつくの支援実績に基づく、行政プロポーザル専用の企画アイデア集です。行政案件特有の要求事項への対応方法から、費用対効果の算出方法まで、プロポーザル成功に必要な要素を網羅的にカバーしています。
この資料をダウンロードした後、実績に基づく具体的な企画案と数値根拠を活用することで、行政担当者に「これなら成果が期待できる」と確信してもらえる提案書を作成でき、プロポーザルでの採用確率を向上させられます。
クライアントから「さすがプロの提案ですね」と言われる企画力の獲得
競合他社との差別化で受注確率アップ
継続的な行政案件受注による安定収益の実現
▼無料お役立ち資料をDL
【行政プロポーザル案件向け】提案書にそのまま使えるInstagramキャンペーン提案ガイド

よくある質問と回答【FAQ】
最後に、シティプロモーションでよくあるご質問に回答するコーナーです。
Q1. 効果が出るまでにどのくらいの期間が必要ですか?来年度の予算で検討したいのですが、今すぐ始める必要がありますか?
A: シティプロモーションの効果は段階的に現れ、準備期間も重要な要素です。
効果が現れる期間:短期的な効果(投稿数・リーチ数)は1-2ヶ月で現れますが、シビックプライド向上や移住促進などの本質的な効果は3-6ヶ月以上の継続的な取り組みが必要です。大田区のような長期戦略では、8年間の計画期間を設定しています。
準備期間の重要性:効果的なプロモーションには企画設計、住民との合意形成、運営体制構築などで3-6ヶ月の準備期間が必要です。来年度予算での本格運用を目指すなら、すぐに準備を始めることで、予算執行開始と同時にスムーズなキャンペーン展開が可能になります。
早期導入のメリット:他自治体に先駆けて取り組むことで、地域初の先進的な取り組みとしてメディア注目度も高まります。また、試行錯誤の時間的余裕があることで、地域に最適化されたオリジナリティの高いキャンペーンを構築できます。段階的導入として、まずは小規模なテストキャンペーンから始めて効果を検証し、その結果を来年度の本格予算獲得の根拠として活用する方法も効果的です。
Q2. シティプロモーションの効果測定はどのように行えばよいですか?
A:定量指標と定性指標を組み合わせた測定が重要です。
定量指標:移住相談件数、SNSエンゲージメント、ふるさと納税額、観光客数、メディア露出回数など
定性指標:住民満足度、シビックプライド向上度、ブランドイメージ調査など
Q3. シティプロモーション課の設置は必要ですか?
A: 専門部署があると効果的ですが、必須ではありません。
部署設置のメリット:専任担当者による継続的な取り組み、庁内横断的な連携強化、専門知識の蓄積が可能になります。
部署がない場合の対応策:既存部署での兼務体制、プロジェクトチーム方式、外部専門家との連携で対応できます。
小規模自治体での工夫例:複数部署での分担制、住民ボランティアとの協働、近隣自治体との共同実施などの方法があります。
重要なのは組織形態よりも、継続的な取り組み体制の構築です。
Q4. SNSキャンペーンは、どのSNSから始めるのが効果的ですか?
A: ターゲット層に応じて選択します。視覚的な魅力をアピールしたい場合はInstagram、幅広い年齢層にリーチしたい場合はX(Twitter)、地域密着型の情報発信にはLINEが適しています。複数プラットフォームの同時展開も効果的です。
SNSプラットフォームの選び方については下記の資料で解説しているので、あわせてご参照ください。
BtoCビジネスに最適な SNSプラットフォーム選びのポイント
Z世代に響く SNSプラットフォーム選びのポイント
Q5. シティプロモーションの論文や研究は参考になりますか?
A: 学術的な知見は戦略立案に非常に有効です。
参考にすべき研究分野:地域ブランディング論、観光マーケティング研究、SNSマーケティング分析、住民参加型まちづくり研究などが特に参考になります。
論文活用のポイント:最新の研究動向把握、他地域の定量的成果分析、理論的バックボーンの構築により、説得力のある戦略立案が可能になります。
おすすめ研究機関:日本都市センター、地方自治研究機構、各大学の地域創生研究室などで最新の研究成果を確認できます。理論と実践を組み合わせることで、より効果的なシティプロモーションが実現できます。
参考として、ネット上でも閲覧できる論文をいくつかご紹介します。
1.地域ブランドの創造に向けたシティプロモーション : ソーシャルメディアの活用に着目して/慶應義塾大学出版会https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/AN00234698-20230800-0301.pdf?file_id=175214
人口減少が進む中、地方自治体が地域ブランドを創造するためのシティプロモーション施策について、特にソーシャルメディアの活用に焦点を当てて論じています。
2.シティプロモーション活動を通じた地域ブランド化 : 奈良市の移住定住促進の活動事例を通じて/同志社大学商学会
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390290699891350400
奈良市の移住・定住促進活動を事例に、シティプロモーションが地域ブランド化に与える影響を分析。
2.地域ブランドとコミュニケーションデザイン/J-Stage(プランニング・リサーチ・アンド・アナリシス学会)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pras/1/1/1_60/_article/-char/ja/
シティプロモーションやブランドメッセージ、定住促進、アイデンティティ形成の観点から、地域ブランドとコミュニケーションデザインの関係性について論じています。
3.シティプロモーションにおける地域PR動画の効果 -武雄市の事例を中心に-/香川大学大学院地域マネジメント研究科
http://srda.eco.saga-u.ac.jp/KSPS/2018/KSPS2018chiikikadai3.pdf
武雄市の事例を中心に、地域PR動画がシティプロモーションに与える効果や、地域ブランド構築への寄与について分析しています。
4.「地域ブランド」と生活満足度/総合研究開発機構
https://www.hitozukuri.or.jp/wp-content/uploads/thinking12_07-10_20220307.pdf
地域ブランドが住民の生活満足度やまちづくりに与える影響について考察。
5.「市民を活用したシティプロモーション」のまちづくりにおける有効性と課題/大阪市立大学
https://www.i-repository.net/contents/osakacu/kiyo/111G0000009-2021-027.pdf
市民を地域資源として活用したシティプロモーションの事例を分析し、まちづくりにおける有効性や課題、関係主体の意識・行動の実態を明らかにしています。
6.知名度の低い地域のプロモーション戦略の考察/地方シンクタンク(地方公共団体研究機構)
https://chikouken.org/wp-content/uploads/2019/06/9122e896e27dfd3547fa85dc5a1a2e7c.pdf
知名度の低い地域が自地域に即したプロモーションを行うための戦略や、ターゲティング・セグメンテーションの考え方を事例とともに論じています。
7.シティプロモーションの総論的考察 -その定義をめぐって-/香川大学大学院地域マネジメント研究科
http://srda.eco.saga-u.ac.jp/KSPS/2018/KSPS2018chiikikadai1.pdf
シティプロモーションの定義や客体、社会的効果について理論的に整理し、住民自治や地域愛着の醸成など、内部・外部双方への影響を論じています。
まとめ
本記事では、20年の支援実績に基づく「おもしろいシティプロモーション企画の作り方」を成功事例・失敗事例とともにお伝えしました。
成功事例が示す通り、限られた予算でも戦略次第で大きな成果を生むことは十分可能です。重要なのは「規模」ではなく「戦略」なのです。
シティプロモーションは継続的な取り組みが必要ですが、住民のシビックプライド向上から関係人口の創出まで、地域の持続可能な発展につながる重要な施策です。まずは小規模なテストキャンペーンから始めてみませんか。
SNSキャンペーンの効率的な運営により、企画立案や住民との対話により多くの時間を使えるようになり、青梅市のような継続的な成果創出と、住民から感謝される充実したシティプロモーション業務の実現をお考えの方は、キャンつくの活用をご検討ください。10年以上の支援経験に基づく安全で効果的なキャンペーン運営により、地域の魅力を効果的に発信し、住民と一体となったシティプロモーションを実現していただけます。
▼キャンつくの詳細はこちら
キャンつく 公式サイト
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