新しいSNSとして注目を集めるThreads。当記事では、大企業からスタートアップまで企業のマーケティング支援をしてきた筆者が、企業のマーケティング担当者向けに、Xとの機能比較や事例、活用のメリットやデメリットを解説します。
- Threadsとは?
- Threadsが注目を集めた背景
- Threadsの意味と読み方は?
- Threadsのロゴデザイン
- Threadsのユーザー数
- Threadsのユーザー像(デモグラフィック)
- Threadsの機能を解説
- 500文字までのテキスト投稿機能
- 10枚までの画像(写真、動画)投稿機能
- ハイパーリンクの設置機能
- シェア機能
- いいね、コメント、再投稿、引用投稿
- 音声の投稿(ボイス スレッズ)
- Threadsには足跡機能がない
- ThreadsとX(Twitter)の違い
- ThreadsとXの機能の違い
- Threadsでできること
- Threadsでできないこと
- ThreadsとXの用語の違い
- Threadsの登録方法
- 1.Instgaramのアカウントを用意する
- 2.Threadsのアプリをダウンロード
- 3.Instagramのアカウントでログイン
- 4.プライバシー設定
- 「Threadsのしくみ」画面が表示されます
- Threadsのマーケティング活用
- Threads公式アカウントの運営
- Threads広告での活用
- SNSキャンペーンでの活用
- Threadsの企業活用事例
- 事例1:Tasty Japan-人気No.1簡単料理・幸せレシピ
- 事例2:TOYOTA GAZOO Racing
- 事例3:スターバックス公式
- 事例4:Pocky JP(ポッキー日本公式)
- 事例5:ユニクロ公式
- ThreadsでSNSキャンペーンを行うメリット
- 競争が少ない
- イノベーター層にアプローチできる
- 炎上リスクが比較的低い
- 広告表示がないため情報が埋もれない
- ThreadsでSNSキャンペーンを行うデメリット
- 利用者が少ない
- DM機能がないため管理が難しい
- 広告を用いた拡販ができない
- 分析機能の利用者が限られる
- まとめ:SNSキャンペーンはXが優位 拡散力が鍵
Threadsとは?
Threads(スレッズ)とは、Meta Platform,inc.(旧Facebook)が2023年7月に正式リリースしたテキストベースのSNSです。開発は、Instagramのチームが手がけており、Instagramのアカウントを使って登録やフォロワーの引き継ぎが簡単にできます。
Threadsは、短文テキストの投稿を中心としたSNS「X(旧Twitter)」と多くの機能が共通しており、競合としてよく比較されます。
Threadsが注目を集めた背景
Threadsが注目を集めた背景の一つに、Xの仕様変更に対するユーザーの反発があります。
Xをイーロン・マスク氏が買収して以降、課金の強化などの仕様変更が行われ、ユーザーの不満が高まりました。多くのユーザーが代替のSNSを求めるタイミングでThreadsのサービス開始が発表され、大きな注目を集めました。
またThreadsでは、Instagramのフォロワーやフォローしているユーザーを自動でおすすめしてくれます。このように0からフォロワーを増やす必要がない点も、急速に利用ユーザーを増やせた一つの要因です。
Threadsの意味と読み方は?
Threads(スレッズ)は、日本語の「スレッド」の複数形で、もともとの意味は「糸」や「連なり」を意味します。
ネット上で使われる「スレッド」の意味は、例えば、掲示板やSNSで、あるテーマで投稿が行われるとさまざまな返信コメントがつきます。この投稿と返信の話の流れを一塊としたコンテンツを指します。
Threadsのロゴデザイン
Threadsのロゴは、「@」マークを模したデザインが特徴です。
Instagram専用フォント「Instagram Sans」の「@」をアレンジしたシンボルは、切れ目のない一筆書きで表されます。
開発者責任者によると「投稿の開始と反応のループからインスパイアされたデザイン」としています。
Threadsのユーザー数
Threadsは、Instagramのフォロワーを引き継ぎやすくする仕組みを活かして、2023年7月のローンチ直後に約5日で全世界で1億ユーザーを獲得する急伸をとげました。
日本でのユーザー数は約1,000万人になります。
利用者数(万) | リーチ | 月平均視聴回数 | |
---|---|---|---|
X(Twitter) | 6061 | 57% | 190 |
5787 | 55% | 152 | |
Threads | 1071 | 10% | 12 |
(出典:2023年11月のニールセン デジタルコンテンツ視聴率 Monthly Totalレポート)
Threadsのユーザー像(デモグラフィック)
Threadsは、18から34歳の利用者の割合が41%を占めます。他SNSと比較して顕著に若いユーザーが利用しています。
利用者数(万) | 18-34歳の利用者数(万) | 含有率 | |
---|---|---|---|
X(Twitter) | 6061 | 1735 | 29% |
5787 | 1648 | 28% | |
Threads | 1071 | 442 | 41% |
(出典:2023年11月のニールセン デジタルコンテンツ視聴率 Monthly Totalレポート)
▼Threadsのユーザー像を動画で解説
Threadsの機能を解説
ここでは、Threadsの代表的な機能を紹介します。
なお、掲載の機能は2024年10月時点の機能になります。SNSは随時仕様の変更追加が行われているため、定期的に確認しましょう。
500文字までのテキスト投稿機能
Threadsは、500文字までのテキストの投稿ができます。X(無料版)の文字数制限は140文字なので、Threadsのほうが360文字多く情報を伝えられます。
10枚までの画像(写真、動画)投稿機能
Threadsは、テキストと組み合わせて、10枚までの画像(写真、動画)投稿機能を持ちます。動画の長さ制限は5分までです。
SNS名 | 画像投稿枚数の上限 | 動画時間の上限 |
---|---|---|
Threads | 10枚 | 5分(タイムライン) |
X | 4枚 | 2分20秒(タイムライン) |
10枚(一部のアカウントは20枚) | 60分(フィード投稿) |
ハイパーリンクの設置機能
Threadsでは、投稿内にハイパーリンクを設置でき、WebサイトやECサイトへの誘導が容易に行えます。
一方で、同じmeta社のInstagramにはリンク機能がなく、棲み分けがなされています。
シェア機能
Threadsの投稿は、Instagramストーリーズにシェアができます。
いいね、コメント、再投稿、引用投稿
Threadsの投稿に対して、「いいね」や「コメント」をつける。また、再投稿(リポスト)や、引用投稿(クォート)機能を持っています。
音声の投稿(ボイス スレッズ)
Threadsは、アプリで音声を収録し投稿もできます。また、投稿音声をテキストにする文字起こし機能もあります。
Threadsには足跡機能がない
Threadsには、閲覧履歴を記録・表示する「足跡」機能がありません。そのため、投稿者は誰が自分の投稿を見たかを確認できません。
ただし、「フォロー」「いいね」「返信」「再投稿」「引用」「メンション」のいずれかを行った場合には、相手に通知が届く仕組みになっています。
ThreadsとX(Twitter)の違い
ThreadsとXは、どちらもテキストベースのSNSとして、文章でのコミュニケーションを中心にしているため、機能は似ています。しかし、細かな部分で両者には異なる特徴があります。
ここでは、ThreadsとX(Twitter)の違いを比較し紹介します。
なお、記載の機能は2024年10月時点の機能になります。SNSは随時機能の変更追加が行われているため注意してください。
ThreadsとXの機能の違い
ThreadsとX(無料版)の機能の違いを比較し紹介します。
現在、Threadsは完全無料で提供しています。Xは無料版と機能をアップグレードした有料版があり、ここでは、無料版との比較になります。
Threads | X(無料版) | |
---|---|---|
投稿文字数 | 全角500文字まで | 全角140文字 |
写真投稿 | 10枚 | 4枚 |
動画の長さ | 5分まで | 2分20秒まで |
DM機能 | なし | あり |
広告配信 | なし | あり |
有料プラン | なし | あり |
▼ThreadsとXの違いを動画で解説
Threadsでできること
X(無料版)と比べて、長文のテキスト、多くの画像や長尺の動画を掲載できるところがポイントです。
無料のリッチコンテンツ(動的な要素を多く含むコンテンツ)を配信したいユーザーは、Threadsの利用が適しています。
Threadsでできないこと
ThreadsにはDM機能、広告配信機能がありません。
1対1のコミュニケーションをしたいユーザーは、InstagramなどのDM機能を利用することになります。
ThreadsとXの用語の違い
meta社は、「Threads Dictionary」と呼ばれる公式用語集を発表しています。Xとの用語の比較を紹介します。
Threads | X | |
---|---|---|
投稿 | ポスト | ポスト |
画面 | フィード | タイムライン |
返信 | リプライ | リプライ |
再投稿 | リポスト | リポスト |
フォロー | フォロー | フォロー |
引用再投稿 | クオート | 引用 |
# | トピック | ハッシュタグ |
Threadsの登録方法
Threadsは無料で利用できます。ここではThreadsの登録方法を紹介します。
1.Instgaramのアカウントを用意する
Threadsに登録するにはInstgaramのアカウントが必要です。Instagramのアカウントを所有していない場合は、最初にInstagramのアプリをダウンロードしてアカウントを作成します。
2.Threadsのアプリをダウンロード
Threadsのアプリをダウンロードしてください。
3.Instagramのアカウントでログイン
インストール後に、ログイン画面が表示されます。画面に従い、Instagramのアカウントでログインください。
4.プライバシー設定
公開プロフィールと非公開プロフィールを選ぶ画面が表示されます。
公開は全てのユーザーに公開されます。非公開の場合は、承認済みのフォロワーのみへの公開になります。
「Threadsのしくみ」画面が表示されます
「Threadsのしくみ」画面が表示されます。内容を確認の上、タップするとThreadsのサービスを利用できます。
Threadsのマーケティング活用
急速に成長しているThreads。企業側も新しい情報配信のチャネルとして活用しています。ここでは、Threadsのマーケティング活用に関して紹介します。
Threads公式アカウントの運営
Threadsでの企業公式アカウントを立ち上げて、情報配信のチャネルとして活用する方法です。Instagramをすでに運用している企業ならば、そのフォロワーを得た状態から情報配信を開始できます。
現状は、XやInstagramのコンテンツの流用が主流で、今後は、Threadsならではの独自のコンテンツ配信が期待されます。
Threads広告での活用
現在、Threadsには広告配信システムはありませんが、将来的に実装される可能性があります。
MetaはすでにFacebookやInstagramで広告ビジネスを展開しており、同様の広告システムがThreadsにも導入されれば、リーチできるユーザーがさらに増えると期待されます。
SNSキャンペーンでの活用
SNSキャンペーンのチャネルとしてThreadsを活用することもできます。現状、広告配信機能がない中、Threadsのフォロワーを増やすには最適な手段になります。
ただし、DM機能がないうえに、PCでは機能制限があるなど、Xと比較すると管理面での使いづらさが目立ちます。
Threadsの企業活用事例
ここでは、企業のThreads活用事例を紹介します。Instagramを運営している企業を中心に公式サイトが運営されています。
事例1:Tasty Japan-人気No.1簡単料理・幸せレシピ
Tasty Japanは、「フォロワー数世界No.1」を謳う動画レシピサイトです。投稿では、さまざまなレシピを作る様子を動画で視聴できます。
短時間で作れるレシピや食材別のアイデアなど、忙しい方や初心者向けの内容など動画ならではのわかりやすさがあり、多くのユーザーの支持を集めています。
事例2:TOYOTA GAZOO Racing
TOYOTA GAZOO Racingは、自動車メーカーであるトヨタが運営する公式レーシングチームの広報アカウントです。
レースのレポートを中心に、トヨタのモータースポーツへの取り組みを配信しています。
事例3:スターバックス公式
スターバックス公式Threadsアカウントでは、新商品の紹介、季節限定メニュー、キャンペーン情報、店舗での体験やおすすめメニューなど、スターバックスに関する最新情報を発信しています。
事例4:Pocky JP(ポッキー日本公式)
Pocky JP(ポッキー日本公式)のThreadsアカウントは、江崎グリコ株式会社が提供する人気お菓子「ポッキー」に関する情報を発信しています。
新商品や季節限定のフレーバー、キャンペーン情報、楽しいポッキーの食べ方やユニークなアイデアなどが紹介されています。
事例5:ユニクロ公式
アパレルメーカー・ユニクロが運営する公式アカウントで、最新ファッションアイテムや季節のおすすめコーディネート、キャンペーン情報などを発信しています。
ThreadsでSNSキャンペーンを行うメリット
現状、Threadsでの広告配信機能がないため、Threads内ではSNSキャンペーンがマーケティングの手段になります。
ここでは、ThreadsでSNSキャンペーンを行うメリットを紹介します。
競争が少ない
Xと比較して、企業アカウントの数も少なく競合企業が少ないため、拡散に成功すればタイムライン上で自社のプロモーションを優位的にPRできます。
イノベーター層にアプローチできる
Threadsは新しいメディアであるため、トレンドや新しい商品・サービスに敏感な「イノベーター層」
イノベーターとは、新しい商品やサービスに関心を持ち、積極的に利用する層を指します。
Threadsのような新しいプラットフォームをいち早く活用する彼らに向けて、目新しい
商品を提供することで、初期の顧客層としての反応を得られ、さらなる市場拡大につなげられます。
炎上リスクが比較的低い
匿名性の強いXに比べて、Threadsは炎上しにくい傾向にあります。
meta社は実名性の強いSNSのFacebookから始まり、Instagram、Threadsとアカウントを連携してきた経緯があります。このようなアカウント連携の経緯からも、ユーザー本人に近いつながりやブランディング目的のアカウントが多く、本音や過激な表現を控える雰囲気があります。
一方で、Xは匿名性が強く、時には本音や過激な表現が用いられ、炎上が起こりやすい傾向があります。
広告表示がないため情報が埋もれない
現在、Threadsには広告掲載の仕組みがないため、配信した情報が他社の広告に埋もれることなく、タイムラインに表示されるというメリットがあります。
これにより、ユーザーが純粋に投稿に注目しやすく、情報がより届きやすい環境が提供されています。
ThreadsでSNSキャンペーンを行うデメリット
ThreadsでSNSキャンペーンを行うメリットがある一方で、競合メディアのXと比較すると
デメリットもあります。
SNSキャンペーンを実施する際には、これらのデメリットを考慮して実施する媒体を選定しましょう。
利用者が少ない
ThreadsはXと比べてユーザー数に劣ります。
ニールセンのレポートによると、Xの6000万人とくらべて Threadsは1000万人台で1/6のユーザー数になります。
Xでの事例は、1回のSNSキャンペーンで2万フォロワーを集めたケースもあります。
純粋にリーチの数やフォロワー数を求めるならばXでの展開が効率的です。
定期的なSNSキャンペーンの実施で27万フォロワー達成!キャンつくを活用した運営のポイントを紹介
DM機能がないため管理が難しい
ThreadsにはDM機能がありません。そのため、別の手段を用いた連絡をしなければならず、コミュニケーションやプレゼント対応などに課題が生まれます。
広告を用いた拡販ができない
Threadsには広告配信システムがないため、広告を活用した拡販ができない課題があります。
そのため、施策効果を高める広告キャンペーンを展開できず、キャンペーンの自然な拡散のみで成果を出さなければなりません。
分析機能の利用者が限られる
Threadsにはユーザー分析機能「Insight」が実装されています。
但し、この機能はThreads側が認めたユーザーのみが利用できるため、すべてのユーザーに提供されるわけではありません。
まとめ:SNSキャンペーンはXが優位 拡散力が鍵
SNSキャンペーンでは、ユーザー数が多く拡散力の強いXは、短期間で多くのユーザーにリーチするのに最も効果的なSNSと言えます。
一方、Threads上でのSNSキャンペーンは、新しいもの好きの層へのアプローチや、特定のコミュニティに向けたニッチな展開など使い方の工夫が必要です。
SNSキャンペーンを実施するには、媒体選定が重要です。各SNSの特徴を熟知した実績のあるパートナー企業に相談すれば、効率的にキャンペーンの成功につなげられます。
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