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公開日:2023.8.28
有力なマーケティング手法の1つにリストマーケティングがあります。
リストマーケティングとは、自社の商品購入や問い合わせの際にメールアドレスや電話番号などの情報を登録してもらうことで作成した見込み客リストに対して、商品紹介や情報発信などのアプローチをしていく手法です。
複数の見込み客へ一斉にセールスやキャンペーンの告知を行えるのが最大の魅力です。
中でもメール配信を使ったメールマーケティングは中小企業から大企業まで広く普及しています。
実際にご自身の企業でもメールマーケティングを活用しているのではないでしょうか?
多くの企業が取り組んできた一方、今は少し時代に合っていないのではないかと感じている企業が少しずつ増えています。
特にコミュニケーションツールにメールではなくLINEを利用するユーザーが多くなり、「マーケティング活動でLINEをなんとか活用できないか」と検討している企業も見受けられます。
そんな企業のニーズに応えるのが「LINE公式アカウント」です。
メール配信に似たシステムではあるものの、自社に当てはめた場合に効果的な手法なのかは悩みどころですよね。
そこで今回はLINE公式アカウントとメールマーケティングのメリット・デメリットを比較し、実際の成功例を紹介しながら両者の使い分けについてご紹介します。
目次
LINE公式アカウントは、国内ユーザー8,800万人を誇るLINEをビジネスで活用するためのツールです。家族や友人とのコミュニケーションと同じように企業や店舗とやり取りが出来るため、ユーザーに受け入れられやすい点が特徴です。
その他にもショップカードやビデオ通話、分析機能等がありマーケティングに必要な機能は網羅されています。
そのためLINE公式アカウントをマーケティングに活かす企業は少しずつ増えており、LINEユーザーもLINE公式アカウントを通じて企業とのコミュニケーションをとる機会が多くなっています。
実際に、LINEユーザーがどの程度LINE公式アカウントを利用しているのかについて、株式会社モビルスが実施した調査データをご紹介します。
◆コロナ禍でLINE公式アカウントを友達追加した
→2人に1人
◆LINE上でサービス登録や商品購入をした経験がある
→5人に1人
◆LINEチャットで相談や質問をしたことがある
→3人に2人
◆LINE公式アカウントを友達追加して実際にしたこと
1位メッセージ・広告のチェック(69.8%)
2位クーポンやキャンペーン情報の利用(58.4%)
3位商品やサービスのサイトを訪問した(39.1%)
またコロナ禍となり、Web上での購買行動や情報収集が増えたことが要因でLINE公式アカウントの利用も増加しています。
ここまでの話だけだとメリットしかないのではない?映るかもしれませんが、もちろんデメリットもあるので、それぞれ見ていきましょう。
LINEは日常的なコミュニケーションで使用する機会がとても多いツールです。朝起きたらLINEをチェックする習慣になっている方も多いですよね。私もその一人です。
それほど頻繫に利用するツールですので、LINE公式アカウントからのメッセージを開くことに抵抗が無い人も多く、気軽に見てもらえることからも開封率が高い傾向にあります。
LINE公式アカウントはメインユーザーである若年層にアプローチしやすいです。
例えば、これまでメールマーケティングのみを活用してきた企業が、新しく若年層向けの商材を扱うことになったとします。その際、20代のメールリストを獲得してマーケティングを行うのはあまり良い手法ではないですよね。
もちろん場合にもよりますが、リスト獲得にかかるコストや手間、ユーザーの利用頻度などを考えるとLINEでのマーケティングが効果的だと言えるでしょう。
メールと比べてLINEでのやり取りは会話のようなテンポで進んでいくことが多いです。
そのため期間限定のイベントやタイムセール等の情報を素早く届けることが出来ます。
他にも当日の急なやり取りや、気軽な問い合わせなどにもすぐ応じられるのでリアルタイムコミュニケーションに向いています。
LINE公式アカウントには1メッセージにつき500文字までと文字数制限があります。それ以上送りたい場合は2つ目のメッセージを送信することになります。
皆さんも経験があるかもしれませんが、LINEの通知が何件も溜まっていると確認するのが億劫になりますよね。複数の情報を届ける場合や500文字以上の内容を配信する場合には、受信者側の気持ちを配慮して送信するようにしましょう。
LINEユーザーは簡単に企業アカウントをブロックすることができます。日常でよく使う分、不要なメッセージだと判断されてしまうとすぐにブロックされてしまいます。
ブロックされないように配信先のユーザーに求められる情報を盛り込む、頻繁に送りすぎない、など様々な工夫を行う必要があります。
では次にメールマーケティングについてご紹介します。
日常的にLINEを使用するユーザーがとても増えているとご紹介しましたが、メールマーケティングにもう効果が無いというわけではありません。
30代~50代のうち80%以上はメールを利用しており、まだまだマーケティングに有力なツールの1つです。
ではLINE公式アカウント同様、メールマーケティングのメリット・デメリットを見ていきましょう。
LINEのメッセージとは違いメールには文字数の制限がありません。そのためニーズ喚起や商品の紹介から、購買を後押しするクロージングまで1通のメールで送りきることができます。
1通で伝えたい内容を送信できることから、途中での離脱を防ぎやすく自然な流れで商品購入まで進めます。
メールマーケティングではユーザーの属性や内容、タイミングなどを適切な形で配信することが可能です。
リアル店舗での買い物のついでにメールのリストを獲得している企業も多いかと思います。登録後の期間に合わせた内容を配信したり、キャンペーンの内容や参加情報からよりフィットしたテーマを選んで配信できるので、少しずつユーザーと信頼関係を築くことが出来ます。
LINEと比較してその開封率は低く、配信しているメールがあまり読まれていないと感じる方も少なくありません。
特にユーザーがGmailを利用している場合、企業からのメールは「プロモーションフォルダ」に入ってしまうので本当に興味のあるものしか開かれません。
メールのタイトルを工夫する、メールを送信する曜日・時間を変える、有益性のある情報の配信を継続することでメールを開く価値のある会社だと認知してもらうなどを行い開封率を上げていきましょう。
短文でのコミュニケーションがメインであるLINEと違い、メールでは丁寧で比較的長い文章を活用する場合が多いので、返信速度が遅くなったりチェックするまでに時間がかかったりとコミュニケーションに時間や手間がかかりがちです。
スピード感が重視されるような情報(当日の予約状況や運行状況など)を届ける場合には向いていません。
では最後にLINE公式アカウントとメールマーケティングのメリット・デメリットをまとめておきます。
ここまでLINE公式アカウントとメールマーケティングについて説明してきましたが、どちらもメリット・デメリットがあり、上手く使い分けることで効果を発揮します。
使い分けるポイントとしては以下の2点があります。
扱っている商材がどのようなジャンルなのか、どの年齢層をターゲットにしているかで使い分けるのがオススメです。
◆LINE公式アカウント
・低価格帯でセールスがあまり必要ない商品
・若年層
成功事例
「アサヒビール株式会社」
アサヒビールでは2017年にLINE公式アカウントを開設しました。2021年6月時点では1100万人の友達数を有しています。
ビールは多くの食卓で飲まれている商品ですので、幅広い年齢層にアプローチできるLINEが最適です。ビールは消費頻度も多いので、気軽に定期的なキャンペーン情報を届けられる点もマッチしていますよね。
◆メールマーケティング
・30代以上
・高価格帯でセールスが必要な商品
成功事例
「HMVジャパン」
音楽・映像ソフトの販売大手であるHMVジャパンは、店舗で得た顧客情報を活用・分析して来店促進に繋げました。
ここでは顧客の趣味・嗜好に合わせて年代別のアーティスト情報を送ったり、ジャンル別でのアーティスト情報を配信することで店舗・PCサイト、携帯サイトなどでの集客に成功しています。
顧客の年代や属性から趣味・嗜好を分析して配信内容をカスタマイズ出来るのはメールマーケティングの強みですね!
LINE公式アカウントではスピード感のあるコミュニケーションが出来ます。リアルタイムで店舗の空席情報やタイムセールなどリアルタイムでこそ価値のある情報を届けたい場合には効果的です。
一方、ユーザーの状況に応じた情報提供やサービスの案内を行いたい場合にはメールマーケティングの方が適しています。
◆LINE公式アカウント
リアルタイムのコミュニケーション
・タイムセール告知
・キャンペーン告知
成功事例
「江崎グリコ株式会社」
グリコでは、子供から大人まで幅広い層に愛されているチョコのお菓子「ポッキー」に関するキャンペーン情報をLINEを利用して配信しています。
2021年にスタートした「ペアギフト」という広告メニューを活用してそれぞれ商品を送りあうことが出来るもので、8万個ものポッキーが完売するという多大な反響を呼びました。
コロナ禍というタイミングや期間限定のキャンペーン情報などとLINEのメリットを上手く活用した事例の1つです。
◆メールマーケティング
見込み客の行動や興味に合わせたコミュニケーション
・セグメント別の情報提供
・過去の購買行動に基づいた商材告知
・クロージング
成功事例
「株式会社ホテルおかだ」
1953年創業、箱根湯本の老舗温泉旅館であるホテルおかだではメールマーケティングを活用してオンライン化を進め予約件数を増やしています。
予約時の御礼メールだけでなく、事前に周辺の観光情報やイベント情報、交通情報や天候の変化等事前に旅行を楽しむための情報提供を行っています。
さらにメールでのお客様からの問い合わせやリクエストも集計してHPのQ&Aやブログ記事で掲載することによって集客効果をアップさせています。
今回はLINE公式アカウントとメールマーケティングのメリット・デメリット、使い分けについてご紹介しました。
2つとも効果のある手法には変わりありませんので、どちらが良い悪いではなく、どちらが自社に適しているかで判断する必要があります。
最適なリストマーケティングを実施するために、自社で効果的な手法はどちらかぜひ検討してみください!
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